野菜が高くなる理由|仕入れに役立つ相場の基本とリスク…
2025.05.29
コラム
野菜が高くなる理由|仕入れに役立つ相場の基本とリスク回避術
野菜の仕入れ価格が「高い」と感じたときに、知っておくべきこと
「また仕入れ値が上がってる…」「今月も原価が読めない」
飲食店の現場では、そんな声が毎年のように聞こえてきます。
特に夏や冬の端境期、台風や大雪のあとなど、野菜の価格は驚くほど急に跳ね上がることがあります。
でも、そもそもなぜ野菜の価格はこんなにも乱高下するのか?
その理由を理解しておくことは、単に“安く買う”以上に、価格が高騰しても焦らず対処する力につながります。
本記事では、業務用野菜の仕入れに20年以上携わってきた八百屋の視点から、
・野菜が高くなる「構造的な理由」
・天候・需要・物流など複数の要因と相場の関係
・業界用語「モガキ」「ナヤミ」が意味する本質
・契約仕入れや市場選定でできるリスク回避術
などを、実践的かつ普遍的な視点でまとめました。
「なぜこんなに高いのか?」という疑問に答えるだけでなく、
「どうすれば次に備えられるか?」まで、一緒に考えていきましょう。
野菜の価格が変動する理由|市場での基本構造
「野菜は天気で値段が決まる」と言われるほど、仕入れ価格は“自然任せ”になりやすい食材です。
しかし実際は、天候だけではなく、市場を動かしている“人の心理”と“需給バランス”が大きく影響しています。
「ナヤミ」とは、野菜が安くなるときの市場の空気
野菜が豊作のとき、市場内には商品があふれます。
この状態は“ナヤミ”と呼ばれ、市場関係者が「売り先に困って頭を抱える」状態を意味します。
・入荷が想定以上に多く
・商品が捌ききれず値崩れ
・農家さん(JA)が値下げしてでも出荷を優先
このようなときは、市場に入った瞬間に空気がゆるんでいるのを感じるほど、活気は控えめ。
相場も全体的に“買いやすく”なる傾向があります。
「モガキ」とは、野菜が高くなるときの争奪戦
逆に、台風や大雪、猛暑などで収穫が減ったときには、野菜が極端に足りなくなります。
この状態を“モガキ”と呼びます。意味は、市場内で買い手たちが“もがいて”奪い合う様子からきています。
・入荷量が少なく、競りの開始前からピリピリした空気
・各仲卸が商品確保のために大卸に詰め寄る
・弱い業者は満足な仕入れができない
この時期は、「信頼関係」と「購買力」が仕入れを左右する厳しいフェーズ。
価格は跳ね上がり、「高いけど買わないと店が回らない」状況になりがちです。
💡市場では、「ナヤミとモガキが交互にやってくる」と言われています。
つまり、野菜価格は日々の気象だけでなく、“供給過多か供給不足か”という需給の波に振り回されているのです。
野菜の価格が高くなる要因|天候・需要・物流の複合影響

「モガキ」のような価格高騰は、ある日突然やってきます。
では、野菜の価格が“なぜ高くなるのか?”――その要因はひとつではなく、複数の要素が同時に重なることが多いのです。
天候が悪いと、そもそも野菜が育たない
天候不順は、価格高騰の最大の引き金です。とくに以下のようなケースは注意が必要です:
・長雨・日照不足 → 葉物野菜が伸びず小玉に
・酷暑 → 高温障害による変形・腐敗
・台風・大雪 → 作物の倒伏、物流の遅延
・低温障害 → 成長が著しく遅れ、出荷が遅延
これらは“供給量”そのものを減らすため、競争原理によって価格が跳ね上がることに直結します。
需要の急増でも価格は上がることがある
供給の問題だけではなく、需要側の要因で価格が上がることもあります。たとえば:
・テレビやSNSで野菜が話題になる(→ メディアと仕入れリスク)
・大手チェーンで一斉にメニュー採用される
・特売で需要が爆発的に伸びる(スーパー・量販店など)
・季節の変わり目で出荷調整が入る(端境期)
このようなケースでは、「一時的に集中する需要」が価格に影響しますが、供給側の“モガキ”ほど急激には上がりづらい傾向があります。
ロジスティクスの問題も無視できない
天候の影響がなくても、「物流の遅延」が価格に反映されることもあります。
・豪雪でトラックが止まる
・燃料費の高騰で物流コストが跳ねる
・市場内の仕分けが間に合わず一部未納になる
こうしたケースでは、一時的に相場が乱れやすく、予定していた仕入れが滞ることも。
「高くても届かない」ような状況は、まさに飲食店にとっては“最大のリスク”です。
このように、野菜価格の高騰は「天候×需要×物流」が複雑に絡み合うことで起こります。
だからこそ、「どのタイミングで」「どの野菜が高騰しやすいか」を知っておくことが、リスク回避の第一歩です。
価格を安定させて仕入れるためには?業者・市場・契約の考え方
野菜の価格が不安定なのは避けられない現実。
とはいえ、「仕入れ価格が毎週違う」状態に振り回され続ける必要はありません。
大切なのは、「どうしたら“高騰しても困らない”仕入れができるか?」という視点。
その答えは、業者の選定・市場の拠点・仕入れの契約形態にあります。
誰から仕入れるか?で安定性は決まる
野菜価格を安定させる第一の鍵は、「どの業者と取引しているか」です。
とくに大事なのは、次の3点:
・中堅以上の規模感がある業者か?(ひとつの目安は300件以上の顧客基盤があるか)
・大田市場・豊洲市場・横浜市場など、規模の大きい中央卸売市場に拠点があるか?
・自社の配送センターはあるか?
なぜなら、レタス・キャベツなど相場変動の激しい野菜を安定供給するには、
業者側が一定量を“動かしている”ことが前提になるからです。
たとえば「毎日50箱以上のキャベツを仕入れているか?」という問いに、
Yesと答えられる業者は、自然と契約価格での仕入れもしやすくなります。
どこの市場を使っているかも重要
市場にも相場安定性の“強さ”があります。
結論から言えば、大田市場・豊洲市場・横浜市場のような大型市場を経由していることが重要です。
地方市場では、以下のような不安定さが出やすくなります:
・入荷量が少なく、品薄時に価格が跳ねやすい
・仲卸の数が少なく、価格競争が起きにくい
・そもそも契約仕入れの実績が少なく、対応できない
ベジクルでは、大田市場を拠点としつつ、豊洲市場での仕入れ も柔軟に組み合わせています。
そのため、日常的に価格の安定と特殊野菜の調達の両立ができる体制を整えています。
価格を固定する裏技「契約仕入れ」とは?

野菜の仕入れ価格を安定させる最も強力な方法。
それが、一定期間にわたって数量と価格を固定する「契約仕入れ」です。
「レタス1個が今日は200円、来週は380円…」という不確実性を減らし、
飲食店の原価管理やメニュー設計のブレを防ぐことができます。
契約仕入れとは、こういった取引です:
・3ヶ月や6ヶ月などの期間を設定
・品目・数量・価格をあらかじめ取り決め
・仕入れ先業者と市場が同意して価格を据え置き
・相場に関係なく“固定価格”で納品される
この仕組みは、大手チェーン店だけのものではありません。
ある程度の取引実績があれば、中小規模の飲食店でも活用できます。
たとえば、以下のような野菜は契約対象になりやすい品目です:
・サニーレタス
・グリーンリーフ
・水菜
・キャベツ
・小ねぎ
特にベジクルでは、上記のような葉物野菜について、3ヶ月間の固定価格をご提案しています。
繁忙期でも1個140〜190円といった価格据え置きが可能です(※使用量によって変動あり)。
もちろん、契約仕入れにも注意点があります。
・相場が下がったときも、契約価格が優先される
・突発的な仕入れ変更には柔軟に対応しにくい
とはいえ、例えばサニーレタスが100円〜400円で乱高下する中、
160円前後で3ヶ月安定するなら、“高値回避の保険”としては非常に有効です。
同じように小ねぎやキャベツなどの幅広い品目で契約仕入れをすることができるのは、ベジクルの老舗ながらのネットワークとボリュームです。
ベジクルが飲食店に提案している仕入れ方法

ベジクルでは、大田市場を主な拠点としながら、豊洲市場や輸入ルートも組み合わせ、
都心の飲食店に最適化された“三段構え”の価格戦略で仕入れをご提案しています。
仕入れ方法は3つの軸で組み立てています:
・価格が乱高下しやすい葉物類は「3ヶ月契約」で価格固定
・通年で安定供給可能な根菜類は「中国産などを活用」してコスト削減
・その他の野菜は「週ごとの相場」で柔軟に価格調整
たとえば現在、以下のような品目をこのような仕入れ方法でご提案しています:
● 3ヶ月契約で価格固定
・サニーレタス
・グリーンリーフ
・キャベツ
・水菜
→ 例:1個150〜190円(税込・ロット別)
● 中国産でコストダウン
・玉ねぎ(むき玉・皮付き)
・人参
・長ネギ
→ 例:中国産むき玉ねぎ10kg箱で1,700円程度
● 相場に応じて価格提案
・ピーマン、ズッキーニ、アスパラ、カリフローレなど
→ 毎週金曜時点で翌週の相場情報を提供
このように、ベジクルでは「契約×輸入×相場提案」のバランスをとりながら、
飲食店の仕入れ担当者が“価格に振り回されず、安心して調理に集中できる環境”を提供しています。
> 関連記事はこちら:
・規格外野菜の活用で仕入れコストを下げる方法
・輸入野菜の仕入れガイド|安定供給と価格メリット
・飲食店の野菜仕入コストを下げる3つのご提案
・豊洲市場で野菜を仕入れるなら
まとめ|野菜価格の波に飲まれないために
野菜の価格が「高い」と感じるとき、その背景には天候や需給だけでなく、
仕入れ構造の問題や業者との関係性が大きく関わっています。
市場には「ナヤミ」と「モガキ」があり、
高くなるときには必ず理由がある――それを理解しておくことで、
仕入れの判断も、リスク管理も、ひとつ上の視点で見られるようになります。
ベジクルでは、こうした相場の波を前提としながら、飲食店向けに3つの提案を行っています:
・価格変動の激しい野菜は「契約仕入れ」で固定化
・コスト重視の野菜は「中国産」や「規格外品」で柔軟対応
・その他の野菜は「週ごとの相場レポート」で丁寧に提案
“毎週の仕入れが、読みやすくなる”
“どのくらい高くなるかを、先に知れる”
そんな安心感が、現場の原価管理と仕込みの精度を支えます。
野菜仕入れの見直し、まずはご相談ください
「最近の仕入れ、なんとなく高い気がする…」
「契約って実際どうやって始めるの?」
「何がどれだけ安くなるのか、聞いてみたい」
そんな方は、まずはお気軽にお問い合わせください。
ベジクルでは、取引前のご相談や相場感のヒアリングも柔軟に承っています。
\ 野菜価格の波を、読みこなせる仕入れへ。ベジクルがサポートします /
