【2026.3月最新】今月の野菜相場についての見通し

2026.03.01

コラム

【2026.3月最新】今月の野菜相場についての見通し

目次

3月の相場展望|干ばつからの回復と“春野菜シーズン”の立ち上がり 🌱

3月に入り、暦の上だけでなく市場でも春商材へのバトンタッチが進み始める時期となりました。

2月は全国的に干ばつ傾向が続き、生育遅れや品質低下が多くの野菜で見られましたが、中旬以降の降雨と気温上昇で徐々に生育が回復しつつあります。

ただし、生育初期に干ばつの影響を受けた品目では、

一時的に入荷量が不安定になる可能性もあり、相場は品目ごとに温度差のある展開となりそうです。

今月の野菜市場には、大きく次の3つの流れが見られます。

①「干ばつ回復による増量」

2月後半の雨で生育が追いつき、

レタスやブロッコリーなどは3月に入って出荷量が回復する見込みです。

②「冬作終了による供給の谷」

北海道産じゃがいもなど冬産地の在庫が減少し、

ばれいしょ類は引き続き高値傾向が続く見通しです。

③「春商材の立ち上がり」

アスパラ、スナップえんどう、筍など、

春のメニュー提案がしやすい野菜が増えてくるタイミングです。


今月の相場イメージ

全体としては

「葉物は回復傾向、根菜は強含み、果菜は春需要で動く」

という構図になりそうです。

具体的には

  • 大根・キャベツ

    → 雨の影響で生育が回復し、比較的安定

  • じゃがいも・玉ねぎ

    → 北海道産の減少や不作の影響で高値継続

  • レタス・葉物

    → 3月中旬以降に出荷ピーク

  • トマト・ナス類

    → 春メニュー需要で引き合い増加

3月の野菜入荷量は平年並み

平均単価も平年並み(約272円/kg)で推移する見込みとされています。

 

品目別の詳細は編集後記に記載あります。

 

野菜相場の基本と現場でのリアル|なぜ価格は変わるのか?

相場は「モガキ」と「ナヤミ」でできている

野菜の相場は、基本的には需要と供給のバランスで決まります。

現場では昔から、それをとてもわかりやすい言葉でこう表現します。

・需要が供給を上回ると → 高値=モガキ
・供給が需要を上回ると → 安値=ナヤミ

「モガキ」とは、野菜をかき集めるのに必死で“もがいている”状態。
「ナヤミ」は、野菜が余りすぎて売る側が“悩んでいる”状態。

市場ではこれがそのまま価格に表れます。

高値になる主な理由(=モガキの背景)

相場が急騰する時、多くは「供給の減少」が原因です。
代表的な例としては以下のようなパターンがあります。

・産地が高温障害や寒波で収穫量が激減した
・台風・大雨の影響で収穫や出荷、輸送が止まった
・切り替え期(端境)で、旧産地が終わり新産地が間に合っていない
・季節要因で一気に需要が高まった(例:鍋の季節に白菜が動く)
・トレンド商品化して急に売れた(例:バナナダイエットブーム)
・国際的な仕入れ競争で品薄になった(円安の影響なども含む)

特に厄介なのが「複数の要因が重なったケース」。
例えば、“寒波+端境期+鍋需要”のような年は、モガキの相場が1〜2ヶ月続くこともあります。

実例|モガキの記憶に残る3品目

私の記憶で特に印象に残っているのは以下の3つ。

グリーンリーフ:1箱12,000円(1個800円)まで高騰したことも
 → サンドイッチ需要(コンビニ)で「切らせられない」野菜
 → サニーレタスより生産量が少なく、端境期にモガキが起きやすい

パセリ:200gで2,000円
 → 普段脇役の野菜でも、供給が止まれば高騰します

パクチー:1束800円
 → 端境期×雨=短期間でも市場が荒れやすい野菜

このあたりはすべて、8月盆明け〜9月中旬頃の端境期に起きやすいのが共通点です。

 

供給過多の“ナヤミ”は、見た目以上に深刻なことも

一方、相場が崩れるときは「品物が多すぎる」「買い手がつかない」といった状態です。

朝の市場では、競売がつかずに「見送られる」「安値でたたかれる」野菜が毎日のように発生します。
特に非JA系の流通品や、過剰作付け品は値崩れが激しくなる傾向があります。

そして、品物が余っている=いい状態というわけでもなく、
場合によっては市場を2〜3ヶ所転送された「余り物」が流れてくることもあり、
仕入れ側にとっては「安いけど、触りたくない」商品になってしまうことも。

価格に現れない“空気”を読む方法

野菜の価格は表に出る「数字」だけでなく、市場の“空気”にこそ本質が現れることがあります。
卸売市場で長く見ていると、価格表には出てこない“兆候”が、実はあちこちに散らばっています。

たとえば――

競り人(セリ人)の態度が冷たいときは、だいたい品薄です。

 余裕がなく、会話すらピリつくような空気になる。セリがすごく早く終わる日も怪しい。
市場周辺で夜間に渋滞が起きているときは品薄なことが多い。
中卸の人たちが早朝から殺気立っている時は、まず間違いなく相場が動いていると見て良いです。

…何よりも市場に一歩入るだけで、商品が多いか少ないかはわかります。

数字より先に変わる“市場の振る舞い”に気づけるようになると、
相場の波に「先手」を打てるようになります。

相場の変動を読む年間カレンダー|8月〜10月が要注意

相場が荒れるタイミングには毎年ある程度の“型”があります
中でも要注意なのが、8月の盆明け〜10月いっぱいにかけての期間です。

この時期は、以下の理由が重なりやすくなります。

・夏の高温障害で作物の生育が一気に鈍る
・旧産地(北海道・東北・長野)が終わり、新産地(関東近郊)がまだ育っていない
・秋雨前線や残暑で、収穫・輸送・保管のコンディションが悪くなる
・9月は祝日も多く、出荷や物流が偏る

ここ数年は、秋が短くなったことが影響して、野菜の端境が10月・11月まで続くケースも増えています。
2024年には、野菜が11月中旬まで高値で推移するという異例の事態もありました。
2026年の秋は高くなるのではないかと見ております。

昔の「9月を乗り切れば落ち着く」という常識は、いまは通用しません。
 → 2026年も、8月末〜10月にかけての仕入れは“慎重すぎるくらい”でちょうどいいと考えています。

2026年、これからの仕入れで気をつけたいこと

ここまで、相場の構造やパターンについてご紹介してきましたが、
2026年の青果業界において、特に注意すべきポイントがいくつか見えています。

●1. 天候の読みづらさが限界レベルに来ている
 → 梅雨入りも「いつか」わからない、雨も「降るか降らないか」予測できない
 → 今年はすでに春先から産地によって育成スピードがバラバラでした

●2. 暑さが品質に直結しやすい夏野菜は“計画仕入れ”が肝
 → 水菜やクレソン、パクチーのような“繊細な野菜”は、突発高騰リスクに備える必要あり
 →夏の後半のレタスやパセリはほぼ確実に高値になる見通し
 → 詳しくはこちら:【野菜が高くなる理由】

●3. グローバル事情による輸入品の不安定化
 → アボカドは5〜6月で貯蔵物が終わり、新物(オイル分が少なくクレーム出やすい)に切替中
 → グレープフルーツはイスラエル産の減少により、ホワイト系がほぼ姿を消し、全体価格も高止まり

●4. 品目によっては「契約型仕入れ」で相場リスクを回避
 → ベジクルでは、サニーレタスやグリーンリーフなど“価格転嫁しづらい定番品”は、あらかじめ契約・固定価格化で安定運用
 → 詳しくはこちら:【契約仕入れのご案内】

●5. ラクシーレを使って仕入れ全体をコストダウンも
 → ラクシーレは業務用食材のマッチングプラットフォームです。肉や魚、消耗品など飲食店様のコンシェルジュがご提案いたします。
 → 詳しくはこちら:【ラクシーレでお肉のご案内】
 → 詳しくはこちら:【ラクシーレについてのご紹介

まとめ|「価格が動くのは仕方ない。でも、振り回されるかどうかは自分次第」

野菜の相場は、毎日の天気や、季節の移り変わり、そして人の動きによって、驚くほど簡単に変わってしまいます。
それはもう、まるで“生き物”のよう。

でも、だからこそ――
価格に一喜一憂するだけでなく、「波の傾向をつかんで、準備する」ことができれば、現場の安定感は大きく変わってきます。

ベジクルでは、
・産地との契約で主力野菜の価格を安定化
・価格表に出ない“空気”や“兆候”を毎日モニタリング
・FAXでもスマホでも対応できる柔軟な発注環境
を通じて、仕入れ担当の皆さまが相場に振り回されずに判断できる環境づくりを目指しています。

相場に強い仕入れを、今から始めませんか?

「今週どの野菜が買い時か教えて」
「急にパセリが高いんだけど、代替ない?」
「そろそろ固定価格で契約したいな…」

そんなご相談、すべて大歓迎です。


さらに「契約仕入れでリスクを減らしたい」という方は、
こちらもどうぞ ▶ 【契約仕入れについての詳細はこちら

 

 

編集後記:品目別の詳細トレンド 📝

※市場動向をもう少し専門的に整理しています

鍋・煮込み材(だいこん・はくさい・ねぎ)

だいこん

今シーズンは関東産(千葉・神奈川)が主力となり、作柄は非常に安定しています。
2月は干ばつ傾向が続いたものの、中旬以降の降雨で生育は回復。
現在はL〜2Lサイズ中心の出荷となっており、量販・業務ともに使いやすい規格が増えています。

ただし、神奈川三浦地区では春キャベツへの作付転換が始まり、
3月下旬に向けて出荷量は徐々に減少する見込みです。

そのため
・3月上旬〜中旬 → 安定供給
・3月下旬 → 若干引き締まる可能性

という流れを想定しています
煮込みや定食系のメニューでは、今月の原価安定野菜として最も使いやすい品目です。

はくさい

1〜2月の低温と雨不足の影響で、生育がやや遅れ小玉傾向が見られます。

現在は
・茨城
・群馬
・兵庫(淡路)

などが中心ですが、
秋冬白菜の終盤と春白菜の立ち上がりが重なる端境期に入っています。

特に3月上旬〜中旬

は産地切替のタイミングのため、
一時的に入荷量が減少する可能性があります。

中旬以降は春白菜が増え、
相場は徐々に安定してくる見込みです。

長ねぎ

2月の寒波と乾燥により、関東産では
・曲がり
・葉先枯れ
・白根の短さ

などの品質問題が一部で見られました。

ただし、気温上昇とともに生育は回復しており、
3月中旬以降は数量が増える見込みです。

さらに

・鍋需要の終了
・学校給食需要の減少

などもあり、
相場はやや軟調に推移する可能性があります。

葉物野菜(レタス・ほうれん草)

レタス

冬場の低温と干ばつの影響で、
約1週間ほど生育が遅れていました。

現在は

・茨城
・静岡

の露地物が中心ですが、
降雨の影響で生育が追いつき、3月中旬に出荷ピークを迎える見込みです。

ただし今年は
小玉傾向が続いているため

・可食部が少ない
・芯の比率が高い

など、歩留まりが落ちやすい状況です。

飲食店では

・サラダの盛り付け量調整
・カットサイズ変更

などで対応するケースも増えています。

ほうれん草

2月の寒波で一時的に相場が上がりましたが、
3月に入り出荷量は平年並みに戻る見込みです。

主産地
・茨城
・群馬

ともに生育は順調で、
今月は比較的安定した供給が見込まれます。

ただし3月は
露地ほうれん草の品質が落ちやすい時期

でもあり

・葉の傷み
・軸の伸び

が出やすくなるため、品質を重視する業態では産地指定仕入れが増える傾向があります。

根菜(にんじん・じゃがいも・玉ねぎ)

にんじん

徳島産の春にんじんが3月からスタートし、
出荷量は徐々に増える見込みです。

ただし

・九州産の生育不良
・干ばつの影響

などがあり、
相場はやや強含みで推移する可能性があります。

特に

Lサイズ以上の大玉
は供給がやや不安定です。

ばれいしょ(じゃがいも)

現在の市場は北海道産の終盤に入っています。

主産地

・羊蹄
・北見

などの在庫が減少しており、
慎重な出荷調整が続いています。

一方、九州の

・鹿児島産
・長崎産

は霜害の影響で生育が遅れ、
小玉中心の出荷となる見込みです。

結果として

・大玉不足
・規格不安定

が続き、相場は高値基調となっています。

玉ねぎ

今シーズンは北海道産の不作が市場全体に影響しています。

静岡産が中心に出回っていますが、
価格は依然として高水準です。

そこで注目されているのが中国産むき玉ねぎ

輸入品は

・皮むき済み
・サイズ安定
・価格が安い

という特徴があります。

特に

・カレー
・煮込み
・ソース
・ハンバーグ

などの加熱用途では国産の半額以下になるケースもあり業務用では採用が増えています。

果菜(トマト・きゅうり・なす)

トマト

現在は熊本産などが主力ですが、
段替わりのタイミングに入っています。

そのため

・小玉傾向
・着色遅れ

などが見られます。

ただし3月中旬以降は

・気温上昇
・春作トマトの出荷

により、徐々に入荷量は回復する見込みです。

きゅうり

宮崎・高知など西南暖地が中心ですが、
曇天が続いた影響でやや不安定な出荷となっています。

ただし

・関東産の出荷開始
・気温上昇

により、3月後半は供給が安定する可能性があります。

春野菜(アスパラ・豆類・筍)

春メニュー向けの食材も増えてきました。

・アスパラ
・スナップえんどう
・そら豆
・筍

特に

スナップえんどうは3月が最盛期。

昨年よりも作柄が良く、
出荷量はやや増える見込みです。

筍は低温の影響で出荷が遅れましたが、
3月中旬以降から増量する見通しです。

仕入れのポイントまとめ 💡

✔ 大根・キャベツで原価安定
✔ 玉ねぎ・じゃがいもは高値前提
✔ 中国産むき玉ねぎでコスト調整
✔ レタスは歩留まり確認
✔ 春野菜は3月中旬から提案

▶ 今後の天候・端境期予測

・にんじん
春人参の生育が干ばつの影響を受けており、Lサイズ以上の供給はやや不安定な状況が続く可能性があります。

・長ねぎ
2月の寒波と乾燥により品質低下が見られましたが、気温上昇と降雨次第では3月中旬以降に供給は回復する見込みです。

今年は天候の影響で品目ごとの供給差が大きく、価格の変動幅が大きくなりやすいシーズンです。

調達のタイミングを誤ると原価に直結するため、
市場動向を見ながら柔軟に仕入れを調整することが重要になりそうです。

プロ視点のワンポイント

特に今シーズンは「干ばつ → 降雨 → 気温上昇」という急激な天候変化があり、
野菜の生育スピードが通常より読みにくい状況です。
相場も短期間で上下する可能性があるため、仕入れは早めの情報収集がポイントになります。

今月の仕入れアドバイス(飲食店向け)

にんじんは“メニュー別に国産と輸入を使い分けるのが正攻法
 - 生食や付け合わせ:国産
 - 加熱・煮込み・カレー・惣菜:輸入

・玉ねぎは“輸入前提”で動くべし
 - 外観やサイズにこだわる業態は早めに発注相談を
 - 加熱用途なら、むしろ輸入の方が安定して使えるという声も多数

価格変動が激しい品目なので、LINEでの市況チェックを推奨
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