【緊急レポート】台風12号発生についての見解

2020.09.22

【緊急レポート】台風12号発生についての見解

From池田将義

9/21午後に台風12号発生との一報が入り、社内での意見交換がありました。
そこで、お客様にも情報共有をしたくレポートを作成しております。

10月以降の台風は冬の時期の野菜価格に大きく影響するので気が抜けないです。
また、見通しについては、あくまでベジクルの見解なので参考程度にご覧になってください。
(2020/9/23  11:00更新)

台風の進路予想が変更となり上陸の可能性が下がりました。
下記のレポートは9/22のものとなりますので、台風のリスクについてとご理解ください

 

 

 

台風12号について

今年は台風が少ないと言われています。
そんな中、急に発生した台風12号。

傾向として、台風の少ない年には大型のものが起き
被害がでることが多いので天気予想については常に注視しています。

 

 

いつもなら遠く南の海上で発生して数日間かけて日本列島に近づくのですが、
今回の台風は比較的近海で急に発生しゆっくりと北上し愛知に上陸する見通しでしたが進路が変わり一安心。

ニュースの天気予報でも、秋雨前線と一体となっているものが台風化したといっており
雨が続くことが予想されます。

しかし、近海で発生しているということは悪いことではなく、安心材料です。
理由として海水温の高さと台風の強さに関係があるためです。

 

月平均海面水温平年値(8月)

遠くの南の海上で発生した場合、海水温の高いエリアを通過する際にパワーアップします。

 勢力を強めながらの移動してくることを考えると
近海での発生は台風の勢力が強くなりにくいという側面もあります。

 

台風12号の強さと勢力

 

今回の台風は中心気圧は996hPaと決して強くないがスピードが遅くゆっくりの台風です。
9/23現在では975hPaと勢力が上がっています。

台風は中心気圧が小さいほど勢力が強く前回に警戒警報が出た台風10号は940hPaでありました。
決して舐めてはいけないのですが異常な被害が出るとは考えにくいです。

中心気圧と被害の関係性は下記を参照ください。

 

 

ちなみに「ハリケーン」と「台風」「サイクロン」は熱帯低気圧という点では同じなのですが、、
違いは渦の巻き方です。

「台風」「ハリケーン」は半時計回り。「サイクロン」は時計回り。
北半球と南半球の違いで渦の向きが違うんですね。

詳細はこちら

 

台風12号が野菜の価格に与える影響

今回の台風はまだ安易な判断はできないが、さほど大きな被害に繋がらないであろうと予想しています。

しかし、9月中旬から曇天が続いており日照不足が続き雨が続くことを考えると、
最近高くなっている野菜の多くは価格が高くなる可能性があります。   

・なす
・きゅうり
・ほうれん草
・小松菜
・パセリ

また、この時期には12月前半に収穫予定のキャベツの定植作業が完了し、
まだ根が張っていない時期でもあるのでキャベツが心配なところです。

しかも、キャベツの産地は「愛知県」
今回の上陸も愛知からの予想が出ているのが恐ろしい….

ちなみに、愛知産のキャベツは冬の時期の寒玉キャベツとよばれる
業務用キャベツの半分以上のシェアをもっている大産地。

渥美半島、知多半島が主な産地です。
被害が少ないことを祈りたいです

 

過去の台風被害における野菜の入荷と価格について

過去の台風被害について、下記のような事象が発生しました。
改めて写真見ると生産者さん可哀想で悲しくなります。

畑の冠水や強風によるハウスの倒壊など、数多くの被害を聞いてきました。

主に風と雨の被害なので下記の野菜が高くなるケースが多い

・木になっている果菜類(きゅうり、とまと、茄子)
・樹になっている果物類(りんご、梨、柿)
・雨に弱い軟弱葉物野菜(ほうれん草、小松菜、にら)
・産地切り替え前の長野の西洋野菜(パセリ、セロリ)

秋の時期は産地が多く野菜が豊作傾向にあるので多少の被害があっても
短期的には価格が上がらずになんとかなってしまうケースが多いのですが

秋の時期は冬の野菜の仕込み時でもあるので注意

苗が流されてしまうなど問題が顕在化するのに時間がかかるケースもあります。
この場合、年が明けた1月、2月の厳寒期に入荷が激減するケースが多いです。

特にキャベツでは過去に10月後半に上陸した台風の影響で
1箱4000円の価格になってしまったこともあり

・遅い時期の台風上陸
・愛知直撃

に関しては常に最新の注意が必要と言えます。

いかがでしたでしょうか。
台風の話、少し長くなってしまいましたが以上、レポートとさせていただきます。