野菜の旬について

2020.09.09

野菜の旬について

野菜の旬とは何か

八百屋が一人前になるには3年かかると言われていました。
野菜には旬があり、春夏秋冬の野菜があるのです。

今となっては一年を通じて出荷される野菜が多いので四季、季節の移り変わりを野菜で感じることは少なくなっているかもしれません。

旬とは上旬中旬下旬の「旬」と同じで、本当に美味しい野菜は10日間なんだよと教わった記憶があります。

そして、春は「筍」、夏の前に「梅」、秋には「松茸」

この3つを合わせて松竹梅と呼ばれているのですが…どれも1ヶ月少しで消えてしまうので一瞬。

品物の良し悪し、産地による品物の特徴の違いなどを勉強している間も無く入荷終了してしまいます。

だからこそ、八百屋は楽しいんですが、卓越した目利きができるようになったのは5年経った頃でしょうか。

野菜の流通時期を「はしり」「さかり」「なごり」3つに分類されています。世界を探しても旬を3分轄している情緒ある国は日本だけだと思います。

当然、旬は自然界の四季に準じているので
夏はトマトや茄子、きゅうりなどの果菜類やサラダ野菜
冬は大根やカブ、白菜などの根菜や葉茎野菜

どの気温帯を好む野菜かを知ると簡単に分かります。

 

飲食店にとって旬野菜はメリットもデメリットもあります

旬というと最適な収穫環境での最盛期と言っても過言ではありません。
ということは、流通量が増えて野菜の価格が安くなる傾向にあります。

 

旬の時期は野菜も元気いっぱいなので日持ちもするというメリットがあります。

収穫量も増え、品質が安定し、値段の変動も少なくなる。

安くて日持ちするのであれば、沢山使うのもアリかもしれません。

しかし、旬野菜の価格が下がるタイミングではスーパーの店頭にも家庭の食卓にも並ぶので飲食店でしか食べられないという優位性を発揮しにくい部分もあります。

一般的には飲食店で走りと旬を感じて、家で盛りを楽しむといったところでしょうか。

だからこそ、飲食店さんでは、トマトを使わずにフルーツトマトを使ったり、茄子を水茄子にして生で食べられるように演出したり。工夫をして旬の野菜で付加価値を作るケースが多いです。

 

プロの飲食店は旬の野菜で売上を上げる

飲食店のお客様は旬より前の「走り」の時期に野菜を通じて旬を演出する傾向にあります。

 

8月の夏の時期でも、松茸を使い、赤紅葉を使い、秋を演出
9月からは残暑があってもキノコや芋料理が増えてきます
12月の後半だとお節風の煮物を多く出し、梅の枝をあしらいとして利用
1月になり年が明けると山菜や筍で春を演出。
3月の歓送迎会の時期にはそら豆やトウモロコシで初夏を先取り
5月のGW頃には枝豆や白いトウモロコシで夏を

 

野菜が表現する四季というのが和食を中心とした文化です。

はしりの食材を食べると、話題にもなり、顧客が口コミで広げてくれる可能性もありますね。

若い女性をターゲットにしている飲食店さんですとインスタ映えを意識してメニューを作っています。特にバーニャカウダーは女性が好きな定番メニュー。男性で言う刺身の5点盛りみたいなもんでしょうか。

 

野菜の旬とカラフル野菜について

カラフルな野菜はインスタ映えもするし、飲食店さんとしては押さえたいところです。

お肉や魚は焼いたら茶色になってしまうものが多く、見た目で映えるようにするには副菜でどう彩りを盛り込むかがポイントとなっています。

実は彩り豊かなカラフル野菜の多くは冬の時期が多いのです。
冬の時期だと根菜類が豊富で

  •  果肉が緑のビタミン大根
  •  皮が赤いレディ大根
  •  紫色の紅しぐれ大根
  •  皮も果肉も赤い紅くるり大根
  •  黒い大根
  •  赤いカブ
  •  黄色いカブ
  •  ビーツ類も旬です

これらのカラフル根菜は11月から3月後半の寒い時期に多く流通します。
寒い時期が根菜の旬なのです。

春夏秋のシーズンのカラフルな彩り野菜は

  •  カラフルミニトマト
  •  紅芯大根
  •  スイスチャード
  •  マイクロリーフ
  •  アマランサス

程度しかないのです。

人気野菜のロマネスコや紫カリフラワーも秋から冬の前半が旬となります。

 

旬をいかにデータで把握し、先んじてメニュー提案できるか

メニューの差別化というのは飲食店さんの命題だと思いますが、それ以前の問題でメニュー提案や最新の報告をしてくれる野菜卸業者が少ないこと。

気まぐれで営業マンがきて自分の都合で商品のことを話して帰ってしまい情報不足に悩んでいるシェフからの相談もよく頂きます。

大事なことは、野菜の写真をカタログにしてキチンと提案できるのかが大事だと思います。

ベジクルでは毎週の市場レポート、野菜の相場情報や旬野菜の案内をニュースレターとしてお届けしています。

情報収集力を上げずとも野菜業者から提案がくれば何となくこだわりの野菜をメニューに導入できます。

ベジクルが飲食店さんのぎょう盛期アップにコミットするのでご相談はお気軽に!