食品消費税ゼロの話が出た今、 飲食店が本当に見直すべ…

2026.01.21

コラム

食品消費税ゼロの話が出た今、 飲食店が本当に見直すべきは「仕入れ」でした

食品消費税ゼロ。

それって、飲食店にとって本当に「朗報」なのでしょうか?

最近、「食品の消費税が2年間ゼロになるかもしれない」というニュースを目にする機会が増えました。
物価高が続く中で、ぱっと見は飲食店にとっても追い風に感じますよね。

・仕入れが安くなるかも
・原価が下がるかも
・少しは余裕が出るかも

そんな期待を持つのは、とても自然なことだと思います。

ただ、私たちベジクルは日々、飲食店さんと原価・仕入れ・粗利の話をしています。
その立場から見ると、この「食品消費税ゼロ」は、少しだけ冷静に構造を見ておいた方がいいテーマだと感じています。


結論を先に言うと

食品消費税0%は、
飲食店にとって「単純な減税」にはならない可能性が高い
です。

むしろ、条件によっては
「あれ? 思ったより楽になっていない」
と感じるケースも出てきます。

理由は、消費税の仕組みと、食材価格が決まる構造にあります。


飲食店の消費税は、こういう仕組みになっています

多くの飲食店では、現在こんな形です。

・食材の仕入れ:軽減税率 8%
・店舗売上(外食):10%

このときポイントになるのが、
仕入れで支払った8%は、売上で預かった10%から差し引ける
という点です。

これが「仕入税額控除」。

たとえば、

・月商:500万円
・食材原価:200万円

の場合、

・仕入時の消費税:16万円
・売上で預かる消費税:50万円
・実際の納税額:34万円

という形になります。

 

食品消費税が0%になると、何が起きる?

食品の消費税が0%になると、
確かに仕入れ時に支払う消費税はなくなります

ただし同時に、
これまで使えていた仕入税額控除もなくなる
という変化が起きます。

同じ条件で考えると、

・仕入消費税:0円
・売上消費税:50万円
・納税額:50万円

👉 実質的に、月16万円の負担増

特に、

・小規模店
・原価率が高いお店
・値上げが難しい業態

ほど、この影響はじわじわ効いてきます。


ここで見落とされがちなのが「生産者側のコスト」

もう一つ、飲食店の原価を考えるうえで重要なのが、
生産者(農家・畜産・水産)のコスト構造です。

現在、生産現場では、次のようなコスト上昇が続いています。

・肥料・飼料価格の高騰
・燃料費・電気代の上昇
・人件費(人手不足による賃金上昇)
・資材費(包材・農業資材・消耗品)の値上げ

これらは、消費税とは無関係に、確実に積み上がっているコストです。

さらに見落とされがちなのが、
生産者が調達時に支払う消費税の扱い

食品消費税が0%になると、生産者は
肥料や燃料、資材を買うときには消費税を支払う一方で、
農産物・畜産物・水産物を売るときには消費税を上乗せできません

つまり、

支払った消費税が、控除できず
そのまま「コスト」として残る

構造になります。

結果として、

・生産者の実質的な経費は増える
・原価を下げる余力はさらに小さくなる

という状況が生まれます。

だから「消費税が下がっても、仕入れは安くならない」

ここまで整理すると、こうなります。

・消費税は政策で一時的に変わる
・生産者のコストは構造的に上がっている

この状態では、

「税率は下がったのに、仕入れは安くならない」

と感じる飲食店が増えるのは、ある意味当然です。

しかも今回の案は2年限定
一方で、生産者のコスト上昇は今後も続く前提です。


じゃあ、飲食店はどう考えるべき?

ここまで読むと、

結局、何をすればいいの?

と思いますよね。

ベジクルとしてお伝えしたいのは、とてもシンプルです。

税率よりも、
「今の仕入れは本当に適正か」を見直すこと。

・その価格、本当に相場ですか?
・昔からの付き合いだけで決めていませんか?
・原価が上がった理由、説明できますか?

消費税は自分たちではコントロールできません。
でも、仕入れの構造は見直せます


「仕入れを比較する」という選択肢

そこで活用していただきたいのが、
ラクシーレの仕入れ比較です。

・複数の卸から一括で見積り
・価格・条件を横並びで確認
・無理な切り替え前提ではなく、現状把握だけでもOK

生産者コストが上がる時代だからこそ、
「どこまでが妥当な価格なのか」を知ること自体が、経営の武器になります。

最後に

食品消費税ゼロは、
決して「悪い話」ではありません。

ただし、
期待しすぎると、あとでズレを感じやすい政策でもあります。

減税は一時的。
原価構造の見直しは、ずっと効き続ける。

この話題をきっかけに、
ぜひ一度、自店の仕入れを“比較する視点を持ってみてください。

それが、これからの飲食店経営を守る一歩になるはずです。