シークヮーサー

2019.07.25
フルーツ情報
シークヮーサー
柑橘類の中で、健康成分が最も高い
シークヮーサー
日本では沖縄県が特産で有名。
レモンの代わりに果汁を飲み物や料理に加えるなどして使用されています。
絞って泡盛に加えるなんて沖縄らしい割り方ですよね。
ちなみに沖縄の方言で
シーは「酸」、クヮーサーは「食わせるもの」と言う意味なんです。
直径3、4センチと小さい実ですが、沖縄の太陽をたっぶり浴びたて育ったシークヮーサーは、健康果実と呼ばれるほど栄養満点なんです。
■歴史
まずシークヮーサーはいつから沖縄の名産品と呼ばれるようになったのでしょう。
昔から鹿児島県奄美大島から沖縄本島、石垣島、宮古島や台湾まで広い範囲の野生で
自生している日本固有の原種で、糖度重視で品種改良をしているものが多い中、
シークヮーサーは品種改良はほぼされていません。
現代の蜜柑の元祖なのではないでしょうか。
さらに琉球王国時代の沖縄では、芭蕉布(ばしょうふ)という織物の生産が15世紀から19世紀に栄えていました。
琉球王国で芭蕉の生産は一大産業。
この堅くゴワゴワしている芭蕉布を柔らかく織り上げる為に、シークヮーサーの果汁で
洗濯していた為、今もシークヮーサーの樹木の分布は琉球王国の勢力範囲に沿っていると
いう説もあるくらいなんです。
しかし、収穫に恵まれ丈夫に育つシークヮーサーがこの時代に沖縄の名産品になることはありませんでした。
●シークヮーサーの村、大宜味村
日本一の長寿の里として有名な村、沖縄県北部に位置し、やんばると言われる大宜味村。
大宜味村でのシークヮーサーは日本での収穫の70%を占めています。
平成5年には長寿日本一宣言もされています。
村の木と村の花がどちらも「シークヮーサー」の大宜味村。
柑橘類の中で、ダントツに健康成分が高いシークヮーサーが村人たちの健康と長寿を担っていると言われています。
大宜味村の標高360mの石灰岩で連なった、ネクマチヂ岳というところで育つシークヮーサー。
日当たりの良い中腹部で、4月~5月には真っ白な花を、12月~2月には完熟した黄金色の果実で彩ります。
■使い分け
シークヮーサーは収穫時期によって用途に違いが。
8月から9月にかけて青いものは、スダチやカボスのように刺身や酢の物用がおすすめ。
レモンやすだちと比べて酸味は弱め。
10月から12月までは、ジュースやジャムなどに適しています。
12月下旬から2月末までは生食用で十分に黄色く熟したものを食べます。
黄色く熟したシークヮーサーは沖縄でないとあまり出回らないようです。
大宜味村にある「大宜味シークヮーサーパーク」では、収穫時期ごとのシークヮーサージャムがおいてあります。
食べ比べると苦味、酸味や甘みのバランスがそれぞれ違うんです。
ちなみに、私の好みは10月収穫のシークヮーサージャムです。
■栄養、効能
ノビレチン
果皮や果汁には、効酸化作用を持つノビレンの所有量がシークヮーサーは他の柑橘類と比べてとても多いんです。
含有量は
カボスの3倍、
みかんの10倍
果皮は400倍
グレープフルーツでは267倍。
ゴーヤとはなんと400倍。
ノビレチンは認知症に効き、「抗認知症成分」といわれ下記の効果が発見されました。
- 神経成長因子(NGF)
- 脳コリン作動性神経変性抑制効果
- 記憶障害改善作用
- アルツハイマー病の原因物質とされるAβの沈着抑制作用
認知症や血糖値の上昇を抑える働きから、慢性リューマチの予防、発がん抑制作用などの効果もあります。
過活動ぼうこうや前立腺肥大にも効果があり、さらに尿漏れや頻尿によいと医師が公表したりとまさに健康果実なんです。
天然クエン酸や、ビタミンCやカロチン、各種ミネラルなど健康成分がとても豊富。
体の脂肪などを燃えやすくしてダイエット効果もあったりと、若返り健康成分たっぷり。
■保存方法
生のシークヮーサーは湿気の少ない涼しい場所ならば2週間ほど保存可能。
乾燥を防ぐ為、袋などに入れて冷蔵庫で保存。
冷凍保存も可能です。
冷凍保存する場合は保存袋に入れ果実を丸ごと冷凍。
半年ほど長期保存できます。
果汁を凍らせたものも凍保存しておくことも出来ます。
使用する際は自然解凍しましょう。
■沖縄の長寿を支えるシークヮーサー
大宜味村では9月22日をシークヮーサーの日としたり、沖縄の機内サービスがシークヮーサージュースだったりとまさしく沖縄発の健康法。
実がなるまで七年かかったりと、長い年月をかけてじっくりと沖縄の太陽をたっぶり浴びて育ったシークヮーサーで健康で長寿を目指しましょう。