「加工用トマト」ってどう選ぶ?加熱調理・ソース用途に…

2025.04.11

野菜情報

「加工用トマト」ってどう選ぶ?加熱調理・ソース用途に最適な業務用トマトの仕入れ方

「仕込み用のトマト、最近ちょっと水っぽくて味が決まらないんだよね。」
もしそんなふうに感じたことがあるなら、それは“品種選び”の問題かもしれません。

実は、生で食べるトマトと、加熱して使うトマトでは、まったく別物なんです。

ベジクルがでいつも販売している「ほんのりピンク色のトマト」。これは「桃系」と呼ばれる生食用で、ジューシーで柔らかく、冷やしてサラダにするのにぴったりなタイプ。

でも、ピザソースやパスタソース、煮込み料理など加熱を前提にする調理では、もっと別のトマトが“正解”になることをご存じでしょうか?

そのトマトが、いわゆる「赤系トマト」。
・加熱しても水っぽくならず
・果肉がしっかり残って
・味がきちんと立ち上がってくる
そんな、仕込み料理にぴったりな専用品種なんです🍅

今回は、加工用トマトについて
「どんな特徴があるのか」「どんな料理に向いているのか」「どう選べばいいのか」
という視点で、現場目線に立ってご紹介していきます。

 

赤系トマトって、どんなトマト?

まず大前提として、「赤系トマト」は、一般的に流通しているサラダ用のトマトとは品種そのものが違う専用品です。
この先は「加工用」と表示いたします。

🍅 色が“真っ赤”なのには理由があります

日本のスーパーでよく見かけるのは、ややピンクがかった「桃系トマト」。
これは“生でそのまま食べる”ことを想定して作られた品種で、果肉が柔らかく、水分が多く、口当たりがやさしいのが特徴です。
よく聞く、「桃太郎」とか「りんか」などは聞いたことがあると思いますが桃系トマトです。

それに対して、加工用トマトは世界的には主流ともいえる「赤系」と呼ばれる品種群。
この赤系トマトは、完熟するとしっかりと真っ赤に色づきます。
この色の濃さは、リコピン(抗酸化成分)の量と直結しており、ソースやジュースにしたときに味も色も濃く仕上がる理由でもあります。

🔥 加熱して“本領を発揮する”品種

加工用トマトは、生で食べてもそれほどジューシーではないかもしれません。
ですが、火を入れると一気に風味が立ち上がります。

・水分が少なくて煮詰まりやすい
・グルタミン酸などの旨味成分が加熱で引き出される
・ソースにしたときに“味の芯”が出る

つまり、調理されることを前提に設計されたトマトなのです。

🌿 野生種に近い“育ち方”にも注目

栽培方法にも違いがあります。
一般的な生食用トマトは、支柱を立てて上に伸ばし、脇芽を丁寧に摘み取りながら、室温や湿度を管理されたビニールハウスで育てられることが多いです。

それに対して加工用トマトは、支柱を使わず地面を這わせる“自然な姿”で育てられるのが特徴。
もともとトマトは野生では横に広がる植物で、加工用の品種はその性質を活かすように改良されてきました。

太陽の光をたっぷり浴びて真っ赤に熟す姿は、まさに“太陽の恵みそのもの”。
そのぶん、露地栽培が中心なので収穫時期が限られ、天候の影響も受けやすいというデリケートさも持っています。

加工用トマト、こんな料理・こんな業態で活躍しています

「赤系トマトって加熱向きって聞くけど、具体的にどこでどう使うの?」 そんな疑問にお答えすべく、ここでは加工用トマトがぴったりな業態・料理を具体例つきでご紹介していきます。

🍝 イタリアン業態|ソースや煮込みの“ベース”に最適

イタリアンレストランで提供されるトマトソース系の料理には、加工用トマトの出番がたくさんあります。

・アラビアータやボロネーゼなど、ソースを煮詰める系のパスタ
・ピッツァのマリナーラ、マルゲリータなど
・ラザニアのミートソースに

これらの料理では、水分が少なく、煮詰めやすく、味が立ちやすい赤系トマトが断然おすすめです。

また、グルタミン酸などの加熱で引き出される旨味成分が多いので、出汁に頼らず味に厚みを出したい時にも◎
日本ではグルタミン酸を昆布や干し椎茸で出していますが、イタリアンではトマトで出すのが特徴です。

🍅プロ目線ポイント:
「加熱しておいしくなるトマト」は、一般家庭では人気がないのでスーパーでは買えません。使い方に応じて仕入れるトマトを変えるのが正解!
ピザにいれるなら全体のバランスからSサイズやMサイズがいいかもしれませんが、ソースにする場合は「不定貫」のサイズおまかせがおすすめ。

🍔 ハンバーガー業態|そのまま挟んでOK、水分コントロールしやすいトマト

加工用トマト(赤系)は、実は加熱しなくても美味しく使えるという一面も持っています。

水分が少なめで果肉がしっかりしているので、ハンバーガーにそのままスライスして挟んでも、パンが水分でベチャッとならず、味の印象もぼやけません。
トマトを輪切りしてみると子室というゼリーが詰まっている空洞(部屋とも呼ばれる)が少ないのが特徴。

某ハンバーガーチェーンでもサンド用のトマトは輸入のメキシコ産などの赤系トマトを使っているそう。
ベジクルでは、M・L・2Lなどサイズ展開も豊富なので、「何個くらい入ってるか知りたい!」という方も安心して選べます🍅

・バーガーのスライストマト
・グルメバーガーの厚切りトマトとしても
・トマトをグリルしても美味しい
・冷製チリソースやスパイス系ソースのトッピングベース

🍅プロ目線ポイント:
ただ、バーガーにいれるならば2Lサイズや3Lサイズなど、バンズの大きさに合わせたものが好まれます。
品薄時にはサイズを妥協してもらえると単価を下げやすいので相場が安定しているうちに、高くなったときの回避パターンは考えてもらえるとコスト削減にも貢献できます!

🥪 サンドイッチやデリカ業態でも大活用“水分控えめトマト”

サンドイッチに入れるトマトとしても、加工用トマト(赤系)の良さが活きるシーンがあります。

調理してすぐに食べてもらえるような提供スタイルであればジューシーな桃系は美味しいのですが、調理して提供までにタイムラグがある場合は赤系トマトがおすすめ。

こだわりのお店ではフルーツトマトをご所望されるケースが多いです。(フルーツトマトのブログはこちら)
ミニサイズのアメーラトマトや、糖度8度以上の塩トマトなどを使うと、かじったときにジュワッと甘さが広がるので、サンドイッチの印象がぐっと変わります。

・冷製サンドやトルティーヤラップでのスライストマト
・デリパンへの“潰れにくい”トマトスライスのトッピング
・水分が出にくいため、前日仕込みや配送時も品質が安定

特に時間が経ってから食べられる前提のメニューでは、トマトからの水分が味や見た目を損なうリスクがあるため、 “加熱用トマトをあえて非加熱で使う”という選択肢が効いてきます

🍅プロ目線ポイント:
見た目に規格がある場合は、サイズ選定で調整。
価格重視で不定貫を使えば、味は変わらずコストを抑えることができます。

🍛 カレー・煮込み・洋食系|大量調理&味の安定化に

セントラルキッチンや、ホテルの朝食・ランチビュッフェなど、大量仕込みを要する現場でも、加工用トマトは非常に重宝されます。

・トマトベースの業務用カレー
・ロールキャベツやハッシュドビーフ
・ミネストローネやクリームシチューの“味の芯”としてのトマト

水分が多いトマトだと、煮込みの後半で味が薄まることもありますが、加工用トマトなら加熱しても味が飛びにくいので、 「昨日と今日で味の印象が違う」といったブレも起きにくくなります。

🍅プロ目線ポイント:
皮が厚いトマトも、長時間煮込む料理ではむしろメリットに。
ソース系で歩留まり重視なら、不定貫を選んで原価を安定させるのが得策です

 

\業態にあわせたトマト提案、おまかせください!/

「ピザに向いてるトマトってどれ?」
「トマト、いつもより味が薄く感じる…」
そんなときは、ぜひベジクルにご相談ください!

ベジクルでは、パスタやハンバーガー、サンドイッチなど、業態ごとの調理スタイルや季節に合わせた品種提案が可能です。

 ・1個単位のバラ売り
 ・4kg箱での業務用ロット
 ・不定貫トマトでのコスト調整 など、

“今ちょうどいいトマト”をご提案します🍅

🍅 ベジクルが注目する“これからの加工用トマト”

赤系トマトと桃型トマトには、品種特性としていくつか大きな違いがあります。中でも特に注目すべきポイントが3つあります。

・まず1つ目は、対暑性(たいしょせい)=暑さへの耐性です。
 赤系トマトは、夏場の高温環境下でも比較的花落ちしにくく、実がつきやすいと言われています。これは桃型品種よりも栽培上の安定性が高く、猛暑でも一定の収量が見込める点で、農家からも高く評価されています。

・2つ目の違いは、糖度の上がり方です。
 トマトは通常、水分を制限して育てると甘みが強くなるのがセオリーですが、赤系トマトに関してはこの常識が通用しないケースもあります。水分を絞っても、期待したように糖度が上がらなかったという報告もあり、これは多くの生産者が驚いた点でもあります。

・そして3つ目は、加熱調理との相性=加工耐性です。
 赤系トマトは果肉がしっかり詰まっていて、ゼリー部分(種の周りの水分)が少ないため、加熱しても型崩れしにくく、旨味と色味が凝縮されやすいのが特長です。
 また、リコピンなどの色素成分が多く含まれており、煮込み料理やソースにしたときにも、鮮やかな“赤”と奥行きのある“味”がしっかり残ります。
 この加工耐性の高さこそが、赤系トマトが料理人から支持される理由のひとつです。

現在、日本で市場に出回っているトマトのほとんどは、いわゆる“桃型トマト”と呼ばれるピンク系品種。
スーパーや飲食店でよく使われるものも、この桃型が中心で、国内シェアは実に95%以上とも言われています。

一方で、赤系の加工用トマトは、まだ一般的な流通にはほとんど乗っていないのが現状です。
その理由のひとつは、生で食べてもおいしいと感じにくく、家庭向けのニーズが非常に少ないこと。
つまり、業務用でしか価値が出にくいという背景があります。

しかし近年、加工調理における“味の軸”として注目が高まりつつあり、 今後の広がりに可能性を感じています🍅

ベジクルでも、この赤系加工用トマトを“これからのトマト”として注目し、すでに冬の作付計画を含めた仕入れ体制の構築に着手しています

 

現在の仕入れ状況とご相談体制について

加工用トマトはまだ全国的に安定した量の流通がないため、現在は一部の小規模な生産者さんが試験的に栽培している段階です。

そのため、ベジクルではご希望に応じて産地の出荷枠と調整しながら仕入れを進めていくスタイルをとっています。

・「○月に○kg使いたい」
・「サイズはL〜2Lで揃えたい」

といったご希望には極力お応えしますが、どうしてもサイズにばらつきが出る場合もございます。
事前にご理解をいただけますと幸いです。

ただし、ベジクルではすでに今年冬の作付け計画も農家と調整済み
今後の安定供給に向けて、着実に準備を進めています。

さらに、年間固定契約による価格安定についても、現在複数の産地と交渉中です。

「コストは抑えたいけれど、味も妥協したくない」
そんな現場の声に応えられるよう、これからもトマトの流通と提案の幅を広げていきます。

まとめとお問い合わせ

加工用トマトは、見た目では語れない奥深さがあります。

・生食用には向かないが、火を入れると本領を発揮すること
・果肉が詰まっていて水分が少なく、味の芯がしっかりしていること
・まだ流通量が少ないからこそ、早めに確保しておく価値があること

こうした背景を理解して仕入れに向き合うことで、料理のクオリティもコストバランスも、もっと納得のいく形にできるはずです。

ベジクルでは、この“これからのトマト”を一緒に育てていけるようなパートナーさまをお待ちしています。🍴

「うちのメニューに合うトマトってどんな品種?」 「この価格で毎月これくらい欲しいんだけど、可能かな?」 など、小さなご相談からでも大歓迎です。

ぜひ一度、お気軽にお問い合わせください。

 


ベジクルなら、業態別・時期別にぴったりのトマトをご提案します

「使いたいのは赤系だけど、今高いしどうしよう…」

「桃型の甘いトマトって、どの品種が人気なんだろう?」

そんなお悩み、ベジクルなら解決いたします。

\業態にあわせたトマト提案、おまかせください!/

・スライストマトを1個単位で買いたい!
・加熱用に箱でまとめて仕入れたい!
・高くなる時期は不定貫品でコストを抑えたい!

などなど、ご要望にあわせた“ちょうどいい”提案ができるのが、ベジクルの強みです🍅
お悩みやご希望、まずは気軽に聞かせてくださいね♪

📣まとめ:トマトは“選び方”でメニューの印象が変わる!

 ・トマトは加熱向き・生食向きで選び方が変わる!
 ・夏は値段も味も厳しい…けど、品種と産地で対策できる
 ・ハンバーガー・サンドイッチ・ピザなど、業態に応じた“正解のトマト”がある
 ・仕入れに迷ったら、ベジクルに聞くのが近道!


トマト選び、ちょっとでも迷ったらベジクルに聞いてみてください🍅

🍅「スライストマトの水っぽさ、どうにかしたい」

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🍅「夏の高値をうまく乗り切る仕入れ方法を知りたい」

そんなあなたの“困った”に、ベジクルは一緒に寄り添います。

まずは一言でもいいので、お気軽にお問い合わせくださいね😊