産地レポート@北海道の玉葱について
2020.01.15
産地レポート
産地レポート@北海道の玉葱について
毎度有難うございます。
バイヤーが日本各地の産地を視察した際のレポートをご報告させて頂きます(^^)
今回は真冬の北海道です。
べジクルでは毎月、業務用玉葱を10トン近く販売させていただいているので
昨年より直接生産者さんから仕入れさせていただいております。
この「鉄コン」は1200kg玉葱が入っております。
段ボールに詰めて出荷する直前まで産地ではこのような形で貯蔵されます。
業務用玉葱は日持ちするので大量に仕入れた方が強いのです。
バイヤーはこの1マスに何個の玉葱が見えるかで豊作かどうかをチェックするようです。
12個見えるかどうかがボーダーラインのようです。
ちなみに、これだと小玉傾向とのことでした
今年は暖冬なのか雪が少ないみたいです。
一般人の自分からすると雪が少ないことは有難いのですが
生産者さんからすると違う側面から観ており、勉強になります。
下記バイヤーからのレポートなのでお時間あればお目通しください。
①近年になく降雪が少ない。
現段階での状況ですが雪がかなり少なく直接的に関係ないかもしれませんが、
秋播き小麦に影響が出そうです。
要は、土の表面から15cm程度凍っており秋に播種した小麦は凍傷被害により発芽不良による収量減が見込まれます。
また、これからの降雪次第であるが本来圃場に雪がある程度積もっていると
地中が凍ることが少なく、雪解け次第に直ぐトラクターが
畑に入れるが、今年の場合は地中が凍っていることが予測されるので畑の準備が遅れることが懸念されます。
従って、馬鈴薯等においては種まきが遅くなり出荷もズレ込む事が予想される。
②北海道の玉葱の状況
現在、北海道の出回り時期でこれから4月末頃迄潤沢な出荷が見込まれる中、
現在の出荷品種である「もみじ系」については
L大からややL中心と見られ、やや出荷階級比率が年内の品種より小さくなってきている現状である。
従って、L大の引き合いが強まる事も考えられる。
但し、全体量としては豊作基調の為、極端な相場高騰は無いと考える。
●十勝の農家のコメント
①対象の農家さんは冬に除雪の仕事を請け負うらしいが、今年は全く出動がないとのこと。
②昨年の生産物は相場が安くて散々年柄であったとのことで、今年は契約を重点に計画している模様。
③温暖化で最適な品種に変える必要があるとのことであるが、種子の開発が追い付いてない模様。
④物流費が高騰しており、また、運転手を希望する人が少なく車両はあるが稼働率が悪く、道内の一部運送会社は廃業を考えるところもあるようだ。
●当方の所感
①雪が少ないことで考えられることは出荷出回りが集中。従って、天候異変がなければ7/下あたりの相場は低迷することが考えられる。(特に根菜類は懸念あり)
②温暖化傾向により葉茎菜類の契約打診が増えている模様である。(長野県の品質低下によることが考えられる。)
③従って、今後の産地契約は更に産地を分散して安定調達に期することがテーマであると考える。
上記の機械は「ポテトハーベスター」というもので、トラクターに装着してけん引し、じゃがいもを収穫する機械です。
この収穫機に4人程度乗り粗選別致します。
これは、雪割と言うもので前年度じゃが芋が栽培され収穫時に圃場に残ったじゃが芋を凍らせて今期栽培時に発芽しないように
するものです。