大田市場の野菜入荷情報|今週の旬野菜と特売品まとめ(…

2025.05.18

野菜通信

大田市場の野菜入荷情報|今週の旬野菜と特売品まとめ(2025年5月)

毎度ありがとうございます
ベジクルです!

気温もぐんぐん上昇し、日中は夏の陽射しを感じる日も増えてきましたね。
ここ大田市場でも、初夏らしい野菜の入荷が目立ち始め、売場全体が少しずつ“夏の顔ぶれ”に変わってきています。

最近では、飲食店様からも「冷菜に使える食材が欲しい」「薬味系の仕入れを増やしたい」といったご相談を多くいただいており、季節の変化に応じた仕入れ調整が本格化している印象です。
こうした背景を踏まえて、今週も大田市場からの野菜入荷情報とおすすめ食材をお届けいたします!

今週の「あしらい」野菜のご紹介

季節感を演出する「あしらい野菜」も今が切り替わりのタイミングです。
今週のおすすめは、涼しげな見た目が魅力の「青もみじ」。
刺身や冷製料理の盛り付けに添えるだけで、一気に清涼感がアップします。

また、下記のような和風メニューにぴったりの装飾用葉物も入荷しております:

・青もみじ(透明感と立体感あり)
・小笹(器やお弁当の仕切りにも◎)
・南天の葉(夏の焼き物・惣菜に)

「季節を届ける」ための一手として、ぜひご活用ください🌿

市況感と全体の流れ

今週の大田市場の野菜入荷状況は、全体としては比較的落ち着いた印象です。
先週までの安定した気候が影響し、一部の品目では入荷量が安定し始めており、売場の表情にも“初夏らしさ”が出てきました。

特に、葉物野菜や果菜類を中心に、品質の良い商品がまとまって入荷しており、飲食店様にとっても扱いやすい状態です。
これから本格的な夏メニューに切り替える店舗にとっては、仕入れ計画を立てやすい週になりそうです。

一方で、ここ数日の曇天や高湿度の影響も見逃せません。
軸の細い葉物(例:水菜・パクチー・ハーブ類)などは湿気による傷みや出荷遅れの影響を受けやすく、タイミングによっては品薄になる可能性もあります。

また、主要産地の東北や関東では一部作付けの遅れも見られ、作柄や収穫量には地域差が出てきています。
この先の野菜相場は、まさに天候=日照時間と湿度次第
仕入れ担当者の方には、日々の市場動向と産地情報をセットでチェックすることをおすすめします。

梅雨入りとともに“夏秋産地”へバトンタッチ

ひとつ気になるのが、全国的な梅雨入りの早まり
九州南部ではすでに梅雨入りしており、平年より2週間ほど早いペース。
来週以降も全国的に不安定な天候が続く見込みで、「梅雨のはしり」的な空模様になる可能性が高そうです。

野菜の出荷面では、冬春産地から夏秋産地へと少しずつバトンタッチが進行中。
夏秋産地のスタートが順調であれば、一定の供給安定は見込めそうですが、高温多湿・日照不足という不安要素もあるため油断は禁物です。

入荷情報のご案内

産地の切り替わりの野菜についてご案内します。

・れんこん
新物との切り替え時期なので品薄&高値です。
「水煮れんこん」を代替え検討をおすすめしております。

・いちご
国産がいよいよ終盤につき、アメリカ産を手配しております。
5/26週を目処に輸入品に変更を予定しております。

今週の注目野菜ピックアップ

ハッキリしない天気が続いておりますが、気温が上がってきていますね。
今週は大田市場で人気の夏野菜をご紹介します!

皮付きヤングコーン【今が旬/特売あり】

今、大田市場でもっとも「旬」を感じる野菜がこの皮付きヤングコーン
収穫されたばかりの若いとうもろこしを、皮付きのまま提供することで、香ばしさ・甘さ・食感のバランスが絶妙に仕上がります。

・炭火やグリルで焼くだけで、主役級の一皿に
・皮をむく工程も、ライブ感あるパフォーマンスとして演出可能
・「焼きとうもろこし」とは一線を画す、上質な“あしらい主菜”にも◎

▶︎ 入荷ピークは7月上旬まで/今週は特売価格でご用意しています!

とうもろこし【夏の定番が本格始動


ここ数週間でようやく安定入荷が始まった国産とうもろこし
特に朝採れ・生でも食べられる品種が増えてきており、甘みの強い仕立てが人気です。

・茹でても、焼いても、冷製スープにしても◎
・カットしてサラダやかき揚げにも応用可能
・ヤングコーンとセットで仕入れもおすすめ

加賀太きゅうり【上品な涼感を演出】

石川県の伝統野菜として知られる加賀太きゅうりは、見た目こそインパクトがありますが、皮をむいて加熱調理することで驚くほどやさしい味わいになります。

・夏場の“すり流し”におすすめ
・白だしや鰹出汁と相性がよく、冷やし鉢にも
・素材の味を活かすメニューで引き立つ存在です

白瓜【サラダや浅漬けにも】

生でも食べられる白瓜は、暑くなるこの時期に特に重宝されます。
青臭さが少なく、食感もパリッと軽やかなので、和洋問わず幅広い料理にフィット。

・バーニャカウダやカルパッチョにも
・漬物としての使用も定番で、1品小鉢の演出に◎

辛味大根【薬味需要が高まる時期に】

冷たいそば、そうめん、冷奴……夏の“さっぱり系メニュー”が増える今、辛味大根の存在感が高まります。

・辛み成分が強く、少量で味がキリッと引き締まる
・冷菜メニューのアクセントに
・おろしだけでなく、薄切りスライスでサラダ風にも応用可

水茄子

大阪・泉州エリア発祥の水茄子は、その名の通り水分をたっぷり含んだ、みずみずしい夏の定番野菜。
生食もできるほどアクが少なく、口当たりが非常にやさしいのが特徴です。

・ナムルや冷製ラタトゥイユに
・薄切りにしてオリーブオイルと塩だけでも美味
・サラダ系の野菜としても引き合い多数

黄色ズッキーニ【彩りを添える“映え野菜”】

カラフル野菜のなかでも、今週は黄色ズッキーニが特におすすめ。
グリーンとのミックス使用や、スライスでの色遊びなど、料理に“映え”を加える要素として引き合いが多くなっています。

・ラタトゥイユやオーブン焼きに
・冷菜やグリル野菜の盛り合わせにも
・ピクルスでの使用も人気

薬味野菜(大葉・ししとう・みょうが)|暑い季節の“仕立て役”

いよいよ本格的に“薬味が主役級に輝く季節”が到来です。

蒸し暑さで食欲が落ちやすい時期こそ、さっぱりとした香味野菜の存在が重宝されます。

大田市場でも今週は、薬味系野菜の入荷が安定しており、価格帯も比較的落ち着いた水準をキープしています。
なお、写真にはありませんが「小ねぎ」や「万能ねぎ」も特別価格でご提供が可能です。
お気軽にお問い合わせください!

大葉(青じそ)

言わずと知れた夏の万能薬味。
刻んで冷奴や冷製パスタに添えるのはもちろん、手巻き寿司や冷やしうどん、豚しゃぶにも◎。
殺菌作用や消臭効果があるため、夏場の食材リスク対策としても注目されています。

・おすすめ用途:天ぷら、薬味、巻きもの、肉の香りづけ
・ロット提案:業務用カット大葉のご用意も可

ししとう

焼き物・揚げ物・煮物と万能に使える“加熱に強い薬味”です。
ピーマンや唐辛子よりもクセが少なく、居酒屋・和食業態での消費量は年々上昇傾向
見た目に季節感を出しやすいため、串焼きや彩り添えにおすすめです。

・素揚げ・焼き・ピクルスなどに対応可
・付け合わせ野菜としての汎用性も高く、コース料理でも活躍

みょうが

梅雨~真夏に特に人気が高まる薬味。
香りと爽やかな辛みがあり、和食だけでなくエスニック系の冷菜や前菜にも好相性。
薄切りにして甘酢漬けにすれば保存も効き、仕込み置きの副菜としても優秀です。

おすすめ:冷奴、そうめん、冷製サラダ、和え物
ターゲット:日本料理・アジアン系業態/女性客比率の高い店舗

薬味まとめ:こんな使い方も!

・冷製麺のトッピング(ざるそば・冷やしうどん・冷やし中華)
・炊き込みご飯の上に添える(特にみょうが+大葉)
・薬味を「三点盛り」として提供(視覚的にも満足度アップ)
・居酒屋メニューに「夏の香味薬味3種盛り」などの季節訴求も◎

 

輸入いちご

国産の「冬いちご」が終了となり、5/26週より苺がアメリカ産に切り替えさせて頂きます。
15粒入のPK。今年は円安の影響もあるようで900円前後の価格になるようで
少しでも安くできないか交渉をしております。アメリカ産の苺は色が濃いのが特徴。
味は酸味が強く、果肉は固めです。
あっさりとした味なので、製菓用の苺として重宝されています。

国産の夏苺も取り扱いはしておりますが、
残念なことに夏場に苺を作るのは難しく、供給量は限られています。

そのため、入荷数量がとにかく安定せず値段が高くなるので
夏苺は欠品の可能性もある難しい商品です。

編集後記|“あれだけ騒がれたキャベツ”の今と、青果卸売の現在地

大田市場を歩いていて、ふと感じたのが「キャベツ、全然話題にならなくなったな…」という違和感。
2〜3ヶ月前は「高すぎる」「仕入れが難しい」など、いろんな現場でキャベツが話題の中心でした。

ところが最近は、レタス・キャベツ・白菜などの大物野菜が一気に落ち着いたことで、市場でも“話題の温度感”がすっかり冷めてしまった印象です。

実際、全国の青果市場のデータを見てもそれは明らかで、
今週は以下のような値動き(対前週比)が見られています:

ピーマン(▲15%)
キャベツ(▲12%)
レタス(▲12%)
にんじん(▲12%)
玉ねぎ(▲6%)
ブロッコリー(+13%)
なす(+7%)

あれだけ騒がれていたキャベツも、相場が落ち着いた瞬間に誰も話題にしなくなる
これは“野菜相場あるある”でもあり、少しさみしい現実でもあります。
せっかく安くなったんだから、もっとたくさん食べてほしいですね!️

青果業界の「金額は増えて、量は減る」構造

ちなみに、青果流通全体を見てみると、今年度の統計では以下のような状況になっています:

全国の中央市場主要75社の青果取扱金額:前年対比8.2%増の2兆2925億円(過去10年で最大)

ただし、取扱量は6.2%減の662万トン(過去10年で最少)

これはつまり、「売上金額は増えているけど、流通した物量は減っている」という状態。

品薄や価格高騰が要因ではあるものの、今後の流通効率や調達の最適化の必要性が見えてくる数字です。

市場の声を、もっと現場に届けたい

キャベツやレタスといった大型野菜のように、一時的に価格が騰がったものほど、市場が落ち着くと一気に話題から消える

それは裏を返せば、「話題性のある食材をどう売るか=仕入れ力+情報発信力」がますます問われる時代になってきた、ということかもしれません。

ベジクルでは、今後も「市場の今を、現場に活かせる形で届ける」という観点で情報発信を続けていきます。

「最近相場どう?」「この野菜、今入る?」といったラフなご相談も大歓迎です!