初夏の兆しを味わう仕入れ案内|和食に使える業務用野菜…

2025.04.13
市場情報
初夏の兆しを味わう仕入れ案内|和食に使える業務用野菜・果物セレクション(2025年4月第2週)
【ベジクル野菜ニュース|2025年4月第2週】
春から初夏へ、和食にも使いやすい業務用野菜をご紹介
こんにちは、ベジクルです。
いつもありがとうございます。
桜が散り、昼間のコートがいらなくなってきたこの頃。 市場にも、まさに“季節のバトンタッチ”が訪れています。
春野菜の代表格である筍は、いままさに出荷のピークを迎えています。 香り・食感ともに旬の今、ぜひ和食メニューの主役としてご活用いただけたら嬉しいです。
そして、ゴールデンウィーク明けには、そら豆やとうもろこし、ズッキーニ、トマトなど、果菜類を中心とした“初夏の走り”がはじまります。
今週は、季節の変わり目に合わせて、煮物・焼き物・揚げ物など幅広い調理に対応できる、和食にも取り入れやすい旬の業務用野菜をご紹介します。
今週の市場概況|幅広い品目が安定価格
現在の大田市場は、全体としては落ち着いた相場感です。 一部の入荷にムラがあるものの、大きな値動きはなく、比較的読みやすい一週間になりそうです。
・ 冬物野菜の出荷終了が各地で進行中
・ じゃがいもや玉ねぎなどの貯蔵系は在庫が少なくなりつつあり、切り替えタイミングに
・ 新人参は出荷が増えてきていますが、小ぶり傾向でロスが出やすい点に注意
和食メニューで多用されるにんじん・長ねぎ・すだちについては、以下のような動きが見られます:
■ 特に高値の品目
人参
新物はサイズが小ぶりで、カット時にロスが多く出やすい傾向。
業務用・和食用途では、ヒネ物を選ぶことで歩留まりとコストのバランスを確保できます。
人参は安価な中国産のものも1本単位からご用意しております。
価格にすると半額以下なので興味がございましたら、お気軽に相談ください!
長ねぎ
一部地域で出荷が鈍く、相場がやや高めで推移。
特に刻み用など用途に応じてロット選びを意識したい時期。
すだち
供給が不安定で欠品が散見されます。
価格も高騰しており、今はかぼすやレモンなど、代替素材の提案が現実的です。
グであれば、しっかりとサイズの揃ったヒネ物を選ぶことができ、 煮物や炊き合わせなど、カットサイズが見た目にも影響する和食の現場では、 ヒネ物の活用がコスト・品質ともに有効な選択肢となります。
今のタイミングであれば、しっかりサイズのヒネ物が選べるので、 煮物や炊き合わせなど、カットサイズを重視する和食の現場では、こちらをおすすめします。
■ 和食に使える“貯蔵系野菜”と今後の動向
寒玉キャベツ
茨城県を中心に安定的に出荷されています。
春キャベツの柔らかさとは異なり、煮込みや浅漬けなど和食用途でも使用頻度が高い定番品です。
じゃがいも
特にメークインは貯蔵品の最終段階。ホクホク系の男爵に比べて煮崩れしにくく、
煮物やおでん、肉じゃがなどの加熱調理で実力を発揮します。
今後は長崎・鹿児島方面の新物に順次切り替わっていく予定です。
赤玉ねぎ
在庫限り。新物は水分が多く日持ちがやや不安定。
酢漬けやマリネなど和の前菜に使いやすく、色のアクセントとしても重宝されます。
この時期は、在庫切り替えの狭間でもあるため、同じ“じゃがいも”でも、 産地・品種・サイズ感によって大きく印象が変わる点に要注意です。
和食においては、火の入り方や荷崩れしないかどうか、 日持ちや皮の処理のしやすさなどが重視されるため、 特にヒネ物は“バランスの良い業務用野菜”として再評価されています。
なお、新物切り替えが今後見込まれる野菜としては、 ・ 蓮根(熊本〜茨城) ・ クレソン(静岡〜長野) などが挙げられます。和食メニューで使いやすい食材なので、 切り替えタイミングや価格動向もあわせてご相談いただければと思います。
■ 和食・業務用におすすめ!初夏の旬野菜と果物セレクション
国産たけのこ(筍)
主な産地:静岡(現在)、石川(例年より遅れ)など
・2025年は全国的に季節の立ち上がりが遅く、例年より1週間ほど遅れてようやく静岡産の筍が本格入荷。
・通常、今の時期には石川県産が主力になりますが、今年は遅れているため静岡産がメインです。
・ベジクルでは、1本250g前後の中サイズを厳選して、1本単位で販売しています。
→ 和食店・惣菜店などで必要量に合わせて使えるとご好評いただいています。
・皮付き・掘り立てで鮮度が良く、湯がいても柔らかく香り高いのが特長。
・若竹煮、筍ごはん、土佐煮、木の芽和え、炊き合わせ、天ぷらなど春の和食定番にぜひ。
・入荷量は4月第3週にかけてピークを迎える予想ですが、産地切替の合間になると急に相場が上がる場合もあるため、ご希望の方は早めの手配がおすすめです。
そら豆
主な産地:鹿児島・熊本・千葉(今後は近郊産へリレー)
・塩茹でや炙り焼きでの単品提供はもちろん、炊き込みご飯や白和え、かき揚げなど幅広く使えます
・皮ごと焼くことで香ばしさとジューシーさが引き立ちます
・500g単位(10〜12本前後)で納品可能。ロス少なめ、歩留まりも良好です
水なす
主な産地:大阪・高知・千葉
・アクが少なく、生食にも適した茄子。浅漬けや酢の物、胡麻和えにも好相性
・加熱しても皮が柔らかく、田楽や揚げ浸しにするととろりとした食感に
・和食の前菜・副菜・漬物などで重宝される万能素材
万願寺とうがらし
主な産地:京都
・辛みがなく、天ぷら・焼き浸し・甘味噌炒めなど幅広く対応可能
・肉厚で見た目の存在感もあるため、副菜の主役にしやすい
・4〜5本入りの100gパックで小ロット提供OK
・コストが気になる方は高知産で甘長とうがらしもおすすめ
新玉ねぎ
主な産地:佐賀・熊本・淡路島
・シャキッとした食感とみずみずしい甘さが特徴
・スライスして鰹節と醤油でシンプルに。味噌和えや豚肉との甘辛炒めにも
・加熱調理にも適しており、ステーキや揚げ出し、汁物にも活用可
アスパラガス(グリーン・ホワイト・紫)
主な産地:長野・福島・北海道(紫は希少)
・グリーンは天ぷら・塩焼き・胡麻和えに
・ホワイトはスープや蒸し料理、昆布締めにも
・紫は色変化に注意しながら、サッと炒めて色味活かす使い方がおすすめ
ズッキーニ(緑・黄)
主な産地:宮崎・高知・千葉
・緑はややコク、黄はやや甘みが強く、料理によって使い分け可
・南蛮漬け、味噌炒め、天ぷら、焼き物に最適
・色の組み合わせで見た目の彩りにもアクセントを加えられます
アメーラトマト(フルーツトマト)
主な産地:静岡・長野・愛知など
・春先から初夏にかけて糖度が最も安定する、高糖度系の国産フルーツトマトです。
・アメーラは品種名ではなくブランド名で、一般的なミニトマトと比べて果肉が締まり、甘み・酸味のバランスが抜群。
・カプレーゼ、冷製煮浸し、トマトのお浸し、酢の物と合わせた和風前菜にも◎
・果汁が少なめなので、カットしても水っぽくならず、盛り付けが美しいのが特徴です。
・3個パック(約250g前後)から小ロット対応可能。1箱のまとめ買いもできます。
・価格はやや高めですが、春〜初夏の「味の主役」として十分な存在感。前菜やコースの中で差別化しやすい逸品です。
とうもろこし
主な産地:宮崎・鹿児島(走り品)
・初物は粒が小ぶりながら甘みが濃厚。炭火焼き、天ぷら、かき揚げに
・すり流しにして先付けとしても喜ばれます
・1本単位で納品可能。数量限定につきお早めにご検討ください
本わさび(生わさび)
主な産地:静岡、長野などの清流エリア
・春〜初夏は気温の上昇とともに、生わさびを使った一品料理や冷たい麺料理、刺身の提供が増えるタイミングです。
・市場でも「本わさびを使いたいけど、サイズや価格で迷っている」というお声をいただくようになりました。
ベジクルでは現在、以下の2タイプをご用意しています:
・50g前後の小サイズ(添え物・個食提供向け)
・100g前後の大サイズ(すりおろし用途・複数皿展開向け)
✔ わさびはただの薬味ではなく、和食の味と香りを引き立てる“調味料”そのもの。
✔ 鮮度と粘りのあるすりおろし感は、チューブ品とは一線を画します。
✔ 脂の乗った刺身や、ローストビーフ・豚しゃぶとの相性も抜群。
飲食店様向けの業務用わさびの仕入れとしても、必要なサイズ・数量で柔軟に対応可能です気温が25℃を超える日が出始めるこの時期、“涼”を感じる一皿を演出する名脇役として、本わさびをぜひご検討ください。
🥭初夏のデザートには「マンゴー」と「メロン」がおすすめ
気温がぐっと上がり、ひんやり冷たいデザートが恋しくなる季節になってきました。
市場では、いよいよ国産マンゴーの流通がスタート。
ベジクルにも、「コースの締めに季節感のある果物を入れたい」「マンゴーを和素材と合わせてデザートに使いたい」といったご相談が増えてきています。
特に宮崎産・鹿児島産などの国産アップルマンゴー系は、果肉の滑らかさと濃厚な甘みが特長ですが高すぎる。
そこで輸入のマンゴーを使われる和食、居酒屋業態の方は増えています、
少量の果肉でも存在感が出せるため、飲食店のデザートやドリンクメニューで“季節を映す一皿”として非常に優秀な素材です。
このあとメロンやハウス柑橘なども動きが活発になりますが、まずはこの“走りのマンゴー”で初夏のメニューにスイッチを入れてみませんか?
タイマンゴー
主な産地:タイ(空輸)
・さっぱりとした上品な甘み。杏仁豆腐、豆乳寒天、くずもちなど和風スイーツに合わせやすい
・果肉がしっかりしているため、飾り切りにも適しています
アップルマンゴー(5月本格化)
主な産地:メキシコ・フィリピン・沖縄(国産は来月以降)
・濃厚な甘さと芳香。甘酒ゼリー、ミルクかん、冷やしぜんざいなどのトッピングに最適
クラウンメロン/アールスメロン
主な産地:熊本・静岡
・果汁豊富で滑らかな口当たり。和のデザート(ほうじ茶ゼリー・黒糖プリン)との組み合わせが映える
・赤肉は茶系器とあわせると美しく、盛り付けの格上げにも◎
・安価なアンデスメロンも少しずつできてました🍈
■ 今週のまとめ|“切り替えの狭間”を味方につける仕入れを
今週は、春野菜の終盤と初夏のはじまりが交錯し、相場も品目ごとにバラつきのある動きとなりました。
全体的には落ち着いた印象があるものの、一部の貯蔵野菜では高値が続いており、見極め力が問われる1週間です。
・ 冬物〜春物の切り替えが一段落し、端境期の影響が残る品目も
・ じゃがいも・玉ねぎ・人参などは、ヒネ物と新物の切替タイミングに注意
・ 初夏の果菜類(そら豆・ズッキーニ・とうもろこし)が安定出荷に入り始めました
・ 国産マンゴー・赤肉メロンなど、和風デザートにも活用できる果物が出始めています
特に和食店や居酒屋業態では、素材の安定性や調理適性が重視されるため、今のような「在庫切替のタイミング」は慎重な判断が必要です。
ヒネ物の方が仕上がりが読みやすい一方で、旬の新物には鮮度と香りという魅力もあります。
仕入れにおいては「安さ」だけでなく、「用途との相性」や「調理時間の効率」も含めた選択がポイントです。
来週以降は晴天が続く見込みで、さらに出荷が増える品目も出てくる予想です。
今仕入れるもの/来週まで待つものを分けながら、季節の食材を無理なく・ムダなく活かすことが、春から初夏の切り替え時期を乗りこえるコツになりそうです。
■ 業界コラム|食材の背景から読み解く“今の市場”
ここからは少し視点を変えて、
今週の仕入れ判断や食材選びに役立つ、業界の背景やトレンドを掘り下げてご紹介します。
相場だけを追っていては見えてこない、
「なぜこの品目が今この価格なのか?」
「なぜこの産地が注目されているのか?」といった、
調理現場と流通の間にある“背景”をひも解くことで、より納得感のある仕入れ判断につながるはずです。
日々の発注にちょっとした視点を添えるヒントになれば幸いです。
■ キャベツの高値はどうなった?|輸入キャベツの定着と需給ミスマッチの兆候
ここ数ヶ月、業務用キャベツの調達状況に明らかな変化が見られています。
特に、大手外食チェーンやカット野菜業者を中心に、輸入キャベツへの依存度が急上昇していたため、2月時点では「4月は混乱するだろう」という声も多く聞かれました。
……が、実際には大きな混乱は起こらず、流通は意外と落ち着いているというのが、現在の市場感です。
読めなかったといった声が聞こえるのも、青果流通の面白さかもしれません。
もちろん、4月後半〜5月にかけて多少の相場の波はあると見られますが、極端な品薄や価格暴騰の兆しは、今のところ見られていません。
この機会に、一度業務用キャベツの動向を振り返りつつ、今後の備え方を整理してみたいと思います。
● 輸入量の急増
・ 2月のキャベツ輸入量は 前年比42.3倍(14,361トン)
・ 3月末時点では 13,378トン超(前年同月比33倍)
・ 現時点では、5月中旬ごろまで輸入流通が継続する見込み
● 輸入拡大の背景
・ 国内産の契約栽培が不足し、業務用需要をまかないきれない状況
・ 加工業務用では「定時・定量・定質・定価」での調達が重視され、安定供給が最優先
・ 結果として、外食チェーンやサラダ加工業者が輸入キャベツにシフト
● 調達先の多国化
・ これまでの中国中心から、韓国・ベトナム・台湾・オーストラリアなどへ分散
・ 為替やリードタイムのリスクヘッジとして、複数ルートの並行確保が進行中
● 飲食店・居酒屋への影響
・ 国産キャベツの行き場が変わり始め、需給バランスの乱れが発生
・ これにより、相場が読みにくくなる/品質と価格のギャップが広がるなど、調達の難易度が上昇
● 今後の懸念と見通し
・ 輸入キャベツが「一時的な補完」から「継続的な前提」に変わる恐れ
・ 夏場以降も輸入主導の相場形成が続くと、国産産地の競争力や調整力が問われる局面へ
・ 飲食店にとっても、品質・保存性・歩留まりをふまえた選択がより重要になる見通し
季節の変わり目は、単価だけでなく「産地背景」「栽培リズム」「物流トレンド」も視野に入れた仕入れ判断が求められます。
ベジクルでは、国産キャベツ・輸入キャベツいずれも取り扱いがあり、業態に合わせたご提案を行っています。
必要に応じて、使い方・切り方・品種の特徴なども含めてご案内できますので、お気軽にご相談ください。