春野菜が続々入荷!水なす・ホワイトアスパラ・ヤングコ…

2025.02.15

野菜通信

春野菜が続々入荷!水なす・ホワイトアスパラ・ヤングコーンなど旬のおすすめ食材

今週の市場動向|野菜価格の変動と春野菜の入荷状況

寒い2月も終わりが見えてきました。少しずつ気温が上がり始め、春の訪れが感じられる時期になりました。

2月19日からは二十四節気の「雨水(うすい)」に入り、雪が雨へと変わり、積もった雪が溶け始める頃とされています。
農耕を始める目安とされるこの時期は、「蕗のとう」「春キャベツ」「うるい」などの春野菜が旬を迎えます

春野菜といえば山菜のイメージが強いですが、春キャベツ、アスパラ、春トマトなど、
昼夜の寒暖差が大きいこの時期ならではの美味しい野菜がたくさんあります。

その中でも特に春の演出にぴったりなのがホワイトアスパラガス
輸入品も多く流通していますが、国産の鮮度感は格別です。

市場の状況と併せて、今週の注目野菜をお届けします。


今週の市場動向|野菜の価格は依然として高水準、今後の動向に注意

現在、市場における野菜の価格は引き続き高値を維持しています。

寒波や天候不順による入荷量の制限が相場の変動要因となっており、一部では「高値疲れ」による需要の減退が見られ、徐々に価格の下落が始まっている状況です。

3月以降、後続産地からの入荷が始まることで価格の安定化が見込まれますが、一部の野菜については供給が依然として不安定なため注意が必要です。

 

1. 価格が高騰している野菜|供給不足の継続に注意

以下の品目は、引き続き価格が高く、安定供給まで時間がかかる見込みです。

高騰している主要野菜

キャベツ(平年比230%)

価格高騰の原因:主要産地である愛知県では、猛暑による発芽不良、台風や長雨の影響、害虫被害(ハスモンヨトウ・黒腐病)、さらには旱魃や低温による生育遅延が重なり、収穫量が大幅に減少。

今後の見通し:市場流通量が限られており、3月後半~4月前半にかけても供給不足が続く可能性が高い。特に春キャベツは、千葉県銚子市で「菌核病」が確認され、出荷量の2〜3割が影響を受ける見込み。

大根(平年比145%)

供給状況:関東圏の生育が遅れ、収穫量が不足。寒波の影響で供給が不安定な状態が続く。

レタス類(平年比124%)

生育状況:寒波による低温の影響で収穫が遅れており、供給の安定化には時間がかかる。

にら(平年比120%)

供給不安定の要因:寒冷地での生育が遅れ、市場への出荷量が減少。

じゃがいも(平年比129%)

貯蔵品の減少:市場の在庫が少なくなり、需給が逼迫。3月半ばには新じゃがへの切り替えが始まるが、供給体制が整うまでは高値が続く可能性あり。

長ねぎ(平年比142%)

天候の影響:関東産地での降雪・低温により収穫・出荷が遅延。市場流通量が制限され、高値が継続。

 

2. 入荷終了および価格高騰中の野菜|スダチの高騰に注意

カボス:市場への入荷はすでに終了。

スダチ:入荷終了が目前となり、価格が急騰中。

スダチは3月20日頃から新物へ切り替え予定ですが、それまでの期間は貯蔵品の品質低下と価格高騰が避けられない状況。特に2月後半には、1玉200円前後まで価格が上昇する可能性があり、飲食店での使用は控えることを推奨します。

 

3. 主要品目の切り替え時期|新物への移行で価格変動に注意

市場では、一部品目が**「新物」**へ移行する時期を迎えています。これにより、価格や供給状況が変動する可能性があります。

切り替え時期の目安

玉ねぎ

3月末を目処に「新玉ねぎ」へ移行。貯蔵品との混在による一時的な価格変動に注意。

じゃがいも

3月15日前後に「新じゃがいも」へ移行。北海道産の貯蔵品在庫が減少し、新物への移行時期は供給が不安定になりやすい。メークインは要注意。新物メークインは近年は1箱4000円を超える相場になっているので今年も同様の可能性が高いです。

にんじん

3月15日前後に「新にんじん」へ移行。新物は甘みが増し、品質が向上。

切り替え時期の前後は、価格が不安定になりやすいため、仕入れタイミングには注意が必要です。

 

4. 来週以降の相場見通し|寒波と需給バランスの影響

寒波の影響が続く見込み

野菜の生育が遅れ、入荷量が制限される可能性が高い。

太平洋側の施設野菜は増産傾向だが、露地野菜は寒波の影響を受けやすく供給が不安定。

需給バランスの変化

高値圏での推移が続くが、**「高値疲れ」**による需要減が相場を押し下げる可能性がある。

3月以降の新物移行による価格調整が、市場全体に影響を及ぼす見通し。


【要注意】アボカドが価格高騰

アボカドの高騰の理由と今後の見通し

アボカドの価格が上昇しており、飲食店への影響が懸念されています。

主な要因

為替の影響:円安により輸入コストが上昇

産地の不作:メキシコやペルーでの天候不順により生産量が減少

この影響により、仕入れ価格は1玉あたり100円以上の上昇が見込まれています。特にカフェ、メキシカン、ハンバーガー店などでは、今後の価格調整が必要になる可能性があります。今週は上昇幅を抑えておりますが、市場から調達している分は先行してすごい価格になっており困ってます。

今後も市場状況を注視しながら、できるだけ価格の上昇を抑えた仕入れを続けていきます。

 

今週のこだわり野菜|春の訪れを感じるラインナップ

市場では、春の訪れを告げる山菜や春野菜が徐々に顔をそろえ始めました。この時期ならではの食材は、見た目や風味だけでなく、調理方法にもさまざまな工夫ができます。今回は、特に注目していただきたい7つの春野菜をご紹介します。メニューに取り入れて、ぜひ春らしさを演出してみてください。

1. 水なす

大阪や奈良が主な産地とされることが多く、水分を多く含むため瑞々しく、アクが少ないのが特徴です。皮が柔らかく、種が少ないので生でも食べやすい点が魅力です。

おすすめの調理法

生食:薄切りにして刺身感覚で味わったり、バーニャカウダの野菜スティックにすると、ほどよい甘みとみずみずしさを楽しめます。
浅漬け:軽く塩を振って水分を出し、浅漬けにすれば食感の良さとさっぱり感が引き立ちます。
サラダ:トマトなどの酸味のある食材とも相性抜群。

バイヤーのコメント

水なすは皮が薄く痛みやすいため、仕入れ後は冷蔵での管理がおすすめ。生で出す際には切ってすぐに提供し、酸化を防ぐのがポイントです。

2. フルーツトマト(アメーラ)

「アメーラ」は糖度が高いことで有名なブランドトマトです。春先は日中の暖かさと夜間の涼しさの影響で糖度がさらに上がり、濃厚な甘みが生まれます。

おすすめの調理法

シンプルなカプレーゼ:モッツァレラチーズやバジルと合わせるだけで、甘みと酸味のバランスを楽しめます。
サラダのアクセント:生ハムやオリーブオイルとの相性も良く、さっぱりとした味付けで素材の美味しさが際立ちます。

バイヤーコメント

フルーツトマトは熟度によって甘み・酸味のバランスが変わります。提供するメニューによって、あえて完熟前の少し硬めの状態で仕入れるのも一つの手です。

3. 皮付きヤングコーン

3月後半から入荷が見込まれる皮付きのヤングコーンは、ひげも柔らかいため、まるごと食べられるのが魅力です。甘みが強く、食感も楽しい食材です。ただ、GW明けまでは少数しか入荷ないのでレア野菜です。(ご予約がおすすめ)

おすすめの調理法

グリル:皮付きのまま蒸し焼きにすると、コーンの甘さが際立ち、香ばしい風味が加わります。
スープや炒め物:ひげごと使えば食感のバリエーションが増え、見た目にもインパクトがあります。
フリット:ヒゲごと衣をつけてあげるとインパクト大。

バイヤーコメント

皮付きのまま仕入れたほうが、鮮度を保ちやすくなります。使用前に外側の葉をむくときは、ひげを残しつつ処理して、料理の見た目にアクセントをつけるのがおすすめです。

4. 雪ウルイ

「ウルイ」は山菜の一種ですが、クセが少なく生食が可能なため、幅広い料理に使いやすい食材です。雪の下で育つため、えぐみが少なく歯ざわりがよいのが特長です。

おすすめの調理法

サラダ:軽く水洗いして食べやすい大きさにカットすれば、そのままシャキシャキした食感を楽しめます。
お浸し・和え物:さっと湯通しして辛子や酢味噌で和えると、淡白な風味にコクが加わり美味しくいただけます。

バイヤーコメント

アクがほとんどないため、湯通しの工程を省いても問題ありません。サラダメニューのラインナップを増やす際に重宝する食材です。

5. 山ウド

「ウドを食べるとバカになる」という俗説があるほど香りが強い山菜の代表格ですが、これはウド独特の香りと苦みを楽しめるのは“通”の食べ方という意味合いもあります。ほろ苦い味わいと香りが春らしさを感じさせる一品です。

おすすめの調理法

白和え:苦みと豆腐のまろやかさがよく合います。
グリル:オリーブオイルと塩をかけてグリルにすることで、香りを閉じ込めつつほくほくの食感を楽しめます。
天ぷら:シンプルに揚げることでほろ苦い風味と歯ざわりが際立ちます。

バイヤーコメント

下ごしらえとして、切った直後は変色を防ぐために酢水に浸けるのがおすすめ。皮も薄く削いでキンピラなどに使えば、食材を余すことなく活用できます。

6. 春キャベツ

春キャベツは葉が柔らかく、水分量が多いので甘みをより感じやすいです。巻きがゆるいため、サラダなどの生食でも美味しくいただけます。

おすすめの調理法

生食・サラダ:塩もみして水分を少し抜くと、シャキッとした食感と甘みが際立ちます。
ロールキャベツ:火が通りやすいので、短時間で柔らかく仕上げられます。

バイヤーコメント

仕込み時には外葉から内側の葉にかけて火の通りが変わるため、スープや煮込み料理に使う場合は切り分ける部位を工夫するとムダが少なくなります。また、春キャベツの葉は破けやすいため、取り扱いには注意してください。

7. ホワイトアスパラガス



日光を遮りながら育てることで、白い色合いと繊細な甘みをもつホワイトアスパラガス。輸入品も多く出回っていますが、国産のホワイトアスパラガスは鮮度が良く、旬のこの時期ならではの香りと甘みが魅力です。

おすすめの調理法

ボイル:下のかたい部分を切り落とし、外皮をピーラーでむいてから茹でると、ほろ苦さと甘さが引き立ちます。
グリル・ロースト:オリーブオイルをまとわせて焼くと、香ばしさが加わりワインとの相性も抜群です。
ソースとの組み合わせ:ホワイトソースやオランデーズソース、またはバターソテーにしてレモンを絞るなど、上品な味わいが楽しめます。

バイヤーコメント

ホワイトアスパラガスは特に鮮度が大切。皮をむいた状態での放置は品質低下を招くため、調理直前に皮むきを行いましょう。高級感のある盛り付けや季節の演出にも最適な食材です。

 

春野菜を上手に使うコツは「素材の持つ香りや苦み、甘みを引き出すこと」です。下処理や調理時間を工夫し、それぞれの野菜がもつ個性を最大限に活かすことで、春らしさを存分にアピールできます。メニューの差別化にもつながりますので、お試しください。

この時期は野菜の高値相場と生育状況の変化もあり、仕入れ計画に悩むことも多いと思いますが、春野菜は季節感を演出するうえで欠かせない存在です。積極的に特売をご用意して使いやすい環境を作っていきますので旬の春野菜で単価UPに貢献できれば幸いです。

おまけ:マイクロハーブはご存知ですか🌱

今週おすすめしたいのが、村上農園のマイクロハーブです。安定した入荷があるため、メニューに彩りをプラスしたいときにぜひ取り入れてみてください。ただし、市場が休みとなる水曜と日曜は取り扱いがありませんので、ご注意を。

取り扱い商品は下記の5種類です。

  • クレイジーピー
  • ロックチャイブ
  • アマランサス(根付きと明記をお願いします)
  • バジル(根付きと明記をお願いします)
  • しそパープル

アマランサスとバジルは、他のハーブと紛らわしくなる可能性があるため、発注時には必ず「根付き」と記載してください。

【使い方のヒント】

  • 彩りや香りづけに

    繊細な見た目と風味を活かして、仕上げにひとつまみ添えるだけで華やかな印象になります。サラダや前菜、スープのトッピングとしてもおすすめです。
  • 食感のアクセントとして

    クレイジーピーはシャキッとした食感、ロックチャイブはほんのり香るネギ系の風味など、それぞれ特徴が異なります。メニューのバリエーションづくりに役立ててください。
  • 鮮度を保つ工夫

    根付きのものは調理時に必要な分だけカットして使うと、余った分を長く保管できるうえに、風味や食感を損ないにくいのがメリットです。

日々の料理の演出に、ぜひマイクロハーブを上手に取り入れてみてください。

 


まとめ|野菜市場の動向と仕入れのポイント

  • 野菜の価格は依然として高めだが、3月以降は徐々に安定の見込み
  • キャベツ、大根、レタス類は引き続き高値に注意
  • スダチやカボスは入荷終了が近く、価格高騰中
  • アボカドが為替と不作の影響で大幅値上げ。飲食店の仕入れに影響
  • じゃがいも、玉ねぎ、にんじんは3月半ば~末に新物へ切り替え

今後も市場の動向を注視し、飲食店の皆さまに安定供給できるよう最善を尽くしてまいります。

次回も最新の市場情報とおすすめ野菜をご紹介しますので、お楽しみに!