2025年最新!鳥インフルエンザで卵が高騰中?飲食店…

2025.02.03

市場情報

2025年最新!鳥インフルエンザで卵が高騰中?飲食店が今すぐ取るべき5つの対策

【2025年最新】鳥インフルエンザがもたらす鶏卵流通への影響と飲食店が取るべき対策

2024年の秋以降、鳥インフルエンザの影響が全国の鶏卵業界に深刻な打撃を与えています。特に飲食店経営者の皆さんにとって、鶏卵は欠かせない食材であり、価格高騰や供給不足はメニュー構成やコスト管理に大きな影響を及ぼします。

今回は、実際に鶏卵卸事業者からのヒアリング内容をもとに、最新の流通状況、今後の見通し、飲食店が取るべき対策について詳しくお伝えします。

1. 鳥インフルエンザの発生状況と影響規模

◆ 2024年の最初の発生はいつ?

今年最初の鳥インフルエンザの発生は2024年10月。その後、感染は急速に拡大し、現時点で約840万羽の採卵鶏が殺処分されています。これは国内で飼育されている約1億3,000万羽のうち、およそ6.5%にあたります。

過去最大規模とされた2022-2023年の1,700万羽の殺処分ペースを上回るスピードで進行しており、このまま拡大が続けば、過去最悪の事態となる可能性も指摘されています。

2. 流通の現状:混乱する供給体制

鶏卵卸事業者は現在、商品確保に向けて緊迫した状況に直面しています。

特定農場への依存がリスクに

中小規模の卸事業者は、特定の養鶏場への依存度が高い場合が多く、感染拡大が発生すると代替供給先の確保が困難になります。

例として、ある事業者では全体の約**40%**を特定の大規模農場から仕入れており、ここで感染が発生した場合、供給不足や欠品が避けられないと懸念されています。

需要の集中と価格高騰

供給が不安定になることで、一部の需要が特定の業者に集中し、結果として卵の価格高騰が発生します。業務用だけでなく、一般家庭向けも高くなっており、特殊卵(赤卵など)を追い抜いてしまうこともあります。当然ながら一般家庭では価格が高くなれば買い控えが顕著となり需要の抑制は一定なされますが、業務用となると話は別。

オムライス屋さんや卵をたくさん使用する粉物業態などについては価格がどうであれ使用するわけで高値を牽引するのが業務用需要ということになります。

ちなみに赤卵のような特殊卵は一般的には価格固定が多いため、普通卵ほど相場の変動要素が少なく、価格変化が遅い傾向にありますがこちらも時間の問題で価格が高くなる見込みです。

3. 鶏卵生産現場の最新対策

養鶏場では、鳥インフルエンザの拡大を防ぐためにさまざまな対策が実施されています。

車両・設備の徹底消毒

養鶏場への出入り車両はすべて消毒ゲートを通過させ、感染経路の遮断を徹底しています。
具体的には石灰を撒いて通行車両のタイヤを消毒するのとゲートには24時間体制で人員配置をし消毒をしております。

野鳥対策の強化

野鳥(鴉も含めて)からの感染を防ぐため、ドローンやロケット花火での追い払い、さらにはレーザー光線での野鳥接近防止など、先進的な対策も導入されています。

農場間の交差防止

農場間の人や物資の移動を最小限に抑えることで、感染拡大のリスクを抑えています。養鶏場に関係のない人は通行すら許可されないのが現状です。

4. 卸事業者の対策:分散化とリスクヘッジ

鶏卵卸事業者も、供給リスクに備えるための対応を進めています。

◆ 供給先の多様化(分散化)

1つの農場への依存を減らし、複数の産地からの仕入れを行うことで、感染発生時のリスクを分散しています。
後述しますが、とは言っても大規模な養鶏場からの調達は避けて通れないので、分散しても限度があります。

◆ 冷凍液卵や粉末卵の活用

加工用卵では、既に液卵や粉末卵が普及しております。これは2022-23の鳥インフルエンザで業界全体が「痛い目」に合っているため需要を分散できるように手配なされているそうです。これらを活用することで供給不安に対応しています。特に業務用ベーカリーやケーキ店では、積極的に冷凍液卵への切り替えをしているようです。

◆ 価格変動への柔軟な対応

供給不足による価格高騰リスクに備え、需要予測と価格戦略を緻密に立てています。特に普通卵は相場に左右されやすいため、代替商品の提案を進める動きが見られます。なお、長期契約は原則として存在しないため、相場変動の影響を受けやすいことが特徴です。

スーパーは相場の普通卵と比較的価格が変動しにくい特殊卵の両方の仕入れをしています。ただし、普通卵は相場取引が全体の90%以上を占めており、その価格変動の影響を受けやすい傾向があります。

◆ こんな業者との取引は注意

特に、大手チェーンなどの購買量の多いクライアントに依存するような卸業者との付き合いは注意です。簡単に価格を改定できないような大手飲食店と取引をしているような業者ですと、相場高騰リスクによって、その結果、一般飲食店に対して高値で販売する傾向が強まります。さらに品薄になると割安でもチェーン店に優先して供給されてしまうので、非チェーンの飲食店さんにとっては何のメリットもないのです。

仕入れ先の販売構成を把握しておくことは自衛手段としても有効です。大手との取引を誇る会社は要注意とお考えください。
ちなみにベジクルでは大手との取引はございませんのでご安心ください!

5. 飲食店が取るべき具体的な対策

飲食店経営者の皆さんも、鶏卵供給の不安定化に備えて、いくつかの対策を講じる必要があります。

◆ ① 仕入先の分散

卵の仕入先を複数確保することで、供給不足時のリスクを軽減できます。特定の卸業者だけでなく、複数の卸業者や直販ルートも検討しましょう。ベジクルでは卵をトン単位での調達しているので当然ながら複数の鶏卵事業者との取引もあり安定供給ができる環境を整えております!

◆ ② メニューの見直し

卵の使用量が多いメニュー(オムライス、親子丼、卵焼きなど)については、代替食材の活用やメニュー構成の変更を検討することが重要です。冷凍の液卵など殻のついていない卵の仕入れについても契約卸から調達は可能です。たくさん卵を使う飲食業態の方はぜひご相談ください。

◆ ③ 価格改定のタイミング調整

卵価格が高騰している場合、メニュー価格の見直しも視野に入れる必要があります。ただし、急な価格変更は顧客離れのリスクもあるため、段階的な調整や限定メニュー化など柔軟な対応が求められます。

◆ ④ 冷凍液卵や加工卵の活用

特にケーキ店やベーカリーなど、一定品質が求められる業態では、冷凍液卵や粉末卵の活用も有効です。安定した供給が可能で、長期保存もできるため、供給不安時の強い味方となります。

6. 今後の見通しと国の対応

◆ ワクチン接種は実現するのか?

現状と課題

日本国内では現時点で鶏へのワクチン接種は認可されていません。その理由として、ワクチン接種後は感染の有無が判別しにくくなるという課題や、卵や鶏肉の輸出に制約が生じることが挙げられます。

繰り返される供給不安と養鶏業界への影響

毎年冬になると鳥インフルエンザによる供給不安が続いており、根本的な対策が急務です。閉鎖型の鶏舎であっても感染経路が特定できず、発生した場合は鶏舎内のすべての鶏を殺処分する必要があります。その後、ヒヨコから再飼育するため、回復には半年以上かかることが一般的です。

この影響で、養鶏業者、中間流通の卸事業者、飲食店や業務用事業者のすべてが価格高騰によって疲弊しています。

抜本的な解決策としてのワクチン接種

このような状況下で、抜本的な解決策として期待されているのがワクチン接種です。ただし、ワクチンを接種すると国際的には「汚染国」扱いとされ、鶏卵や鶏肉の輸出が制限される可能性があります。しかし、鶏卵の輸出割合は全体の1桁%程度であるため、大きな影響はないとされています。

ブロイラー業界の課題

一方で、ブロイラーの輸出に与える影響が懸念されており、ブロイラー業界の団体がワクチン接種に反対する傾向があることが課題です。

海外の事例:フランスの取り組み

海外の事例として、フランスではすでにワクチン接種が進められており、特に鴨に対して実施されています。この取り組みにより輸出は一部制限されましたが、国内での感染抑制には一定の効果を上げていると報告されています。

今後の展望

日本でも今後、養鶏業界全体の持続可能性を維持するために、ワクチン接種の導入が不可欠となる可能性があります。今後の政策動向と国際的な事例に注目が必要です。

7. まとめ

2024年の鳥インフルエンザは、過去に例を見ないスピードで拡大しており、鶏卵供給への影響は深刻化しています。しかし、飲食店としても適切な対策を講じることで、供給不安に備えることができます。

仕入先の分散化

メニューの柔軟な見直し

冷凍液卵や粉末卵の活用

これらの対策を今から準備することで、将来的なリスクを最小限に抑えることができるでしょう。

最新の動向や具体的な仕入れ相談については、ぜひ私たちベジクルにご相談ください。
安定供給のパートナーとして、全力でサポートいたします。