年末の青果市場:最新相場情報と農業の未来に迫る

2024.12.31

市場情報

年末の青果市場:最新相場情報と農業の未来に迫る

2024年末の青果市場最新レポート 🌟

毎度ありがとうございます。

今年は8月以降、記録的な野菜の高値が続きお客様には大変ご迷惑をおかけした年となってしまいました。
そこで野菜価格についてご報告をしたくレポートを作成いたしました。

 


【前週比: 上昇率・下降率%】 ⬆️ 値上がり: ブロッコリー(43%)レタス(33%)白菜(28%)だいこん(21%)トマト(19%) ⬇️ 値下がり: ピーマン(23%)


【今週の概況】

今年の年末は青果業界にとって前例のない厳しい状況が続いています。
特にキャベツは平年比353%高と驚異的な相場を記録。

これに加えて、ブロッコリーが276%、レタスが236%、白菜が208%と高値が続出しています。
特に加工業務用野菜を主力とするベジクルでは、このような状況がお客様に与える影響を日々痛感しています。

また、野菜の価格上昇は生産コスト増加が原因の一部ですが、需要と供給のミスマッチも大きな要因です。
今年は特に極端な気象条件が農家に厳しい影響を与え、「来年は作付けを減らさざるを得ない」といった声が聞こえてきます。
例えば、トマトの供給が減少する中で、外食業界では「トマトをメニューから外す」という動きすら見られています。

さらに輸入野菜も減少傾向にあります。韓国では天候不順が続き、トマトの輸出が停止。
中国からの冬ネギも供給が不安定な状況ですので地球規模の異常気象が様々なところに広がっております。

【最新の市場データ 🌱】

●最新の東京市場の野菜卸値比較(平年比: 過去5カ年)

  1. 🥬 白菜: 208%

  2. 🥬キャベツ: 353%

  3. 🥬 レタス: 236%

  4. 🥕 人参: 171%

  5. 🌶️ ピーマン: 129%

  6. 🥔じゃがいも: 139%

  7. 🍅 大玉トマト: 175%

その他、小ネギ(182%)、エリンギ(176%)、えのき(168%)なども高値で推移しています。

果物市場では、 ・普通温州みかん: 150% ・りんご: 137% ・いちご: 120% といった動きが見られます。


【1月以降の見通し】

🔹 天候と出荷 気温は低めですが晴天が続く見込み。露地野菜の生育促進が期待されますが、高値からの前倒し収穫が進んでいるため、生育量の回復には時間がかかりそうです。果菜類ではやや安定が見られる一方で、露地野菜の供給不足は続く見通しです。

🔹 市況 高値買いの需給ミスマッチが懸念されています。特に年末年始の需要増加が市場にプレッシャーをかけています。例年、年明けには需給バランスが改善するものの、露地野菜は小幅な下落にとどまると予想されます。


 

【ベジクルの考える農業業界の未来 🌾】 現在の農業界が抱える課題

 

1️⃣ 適正価格の流通促進が必要

野菜の価格はタイミングによってばらつきがあり、農家さんが適正な収益を得られる仕組みを作ることが急務に感じています。特に昨年の契約単価では金額的にうまみがなく、廃業リスクが高まっています。農家さんが来年も作りたい、子どもに継がせたいと思える単価を作り持続可能な農業を支援する必要を感じています。

2️⃣ 業務用[規格外]野菜の供給拡大

なんと野菜全体の6割が業務用に使用されています。家庭用市場が大きく見える一方で、実際には業務用が主流です。例えばキャベツでいうとスーパーでは売れない大玉なサイズを積極的に作ってもらうなど、産地でターゲットを明確にした効率的な生産をすることができれば生産効率は上がっていくと考えられます。

3️⃣ 輸入野菜の減少と国産野菜のシフト

円安やインフレの影響もあり、輸入野菜が割安ではなくなりました。トマトは韓国が天候不順で日本への輸出を縮小し、調達に穴が開くことによりトマトの相場が大暴れしました。冬の中国産ネギも似た環境になっており割高な状況が続いています。このさき国産野菜の安定供給体制が必要不可欠です。産地を育てるためにベジクルでは国産シフトを進めていきます。

4️⃣ 長期的視点での利益追求

今年は高値が続いている「お米」に続き、様々な野菜が高くなっています。これは生育不良だけでなく、農家さん側の出荷コントロールもあると見ておりますが、価格が高ければ飲食店さんは野菜の使用を控えてしまいます。久しぶりの高値で、高騰している生産コストを吸収するのは理解できますが、消費が鈍るような価格を長く続けるのは誰も得はしないので難しいところ。品薄で強気になりすぎる方も多くいるけれども長期の視点でご判断いただきたいです。

 


皆様、良い年末をお過ごしください🌟 また新年の市場情報でお会いしましょう!
来年は、より良い品を皆様にお届けできるよう、流通プロセスや仕入れ体制のアップデートに全力で取り組む所存です。新たな挑戦を続け、業界全体の価値向上を目指してまいります。どうぞ変わらぬご愛顧をよろしくお願い申し上げます!🎍